新たな中長期目標の策定
当社はCO2などの温室効果ガスによる気候変動を最も重要な環境問題の一つと認識し、気候変動の緩和と適応に向けた取り組みを行ってきました。また、施工活動とオフィス活動での「事業活動により自ら排出するCO2」と、お客様にお引き渡しした設計・施工物件の運用時における「お客様が排出するCO2」排出量の削減活動を推進してきました。
これらの活動を統合し、2005年度からは、省エネ・CO2排出量削減に総合的に対応する「エコロジー・ミッション」を策定。CO2排出量を2020年度には、1990年度比で30%削減する目標を掲げ、さまざまな活動をしてきました。
2015年はパリで国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、各国のGDP当たりのCO2排出量削減目標が公表されるなど、世界的な節目を迎えたほか、日本建設業連合会も施工時のCO2排出原単位を2030年に1990年比25%削減とする中期目標を設定しました。
これらを機に、当社もSDGs(Sustainable Development Goals)の目標13(気候変動に関する具体的な対策)を鑑み、新たな中長期目標「エコロジー・ミッション2030-2050」を策定しました。
当社の施工活動とオフィス活動により排出するCO2は、事業活動により自ら排出する項目として全社で削減活動を推進し、それぞれ1990年度比削減率をKPIとして管理します。
また、お客様にお引き渡しした設計・施工建物の運用時におけるCO2排出量の削減には、当社の省エネルギー設計技術が大きく貢献できることから、1990年度比削減率を同じくKPIとして管理します。
KPIを設定した3項目は、全社の中長期目標として2030年、2050年の削減目標を定めて取り組みを推進します。

なお、当社は複数の気候変動シナリオを分析し、気候変動に関する国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において採択された「パリ協定」の長期目標達成のためのSBT(科学的根拠に基づく目標)と整合する中長期目標の設定を検討中です。
事業活動により自ら排出するCO2削減
施工時CO2削減の取り組み
- 2018年度実績
- 排出量26.3万t-CO2
1990年度比51%削減 - 2019年度目標
- 1990年度比54%削減
自社オフィスCO2削減の取り組み
- 2018年度実績
- 排出量0.95万t-CO2
1990年度比46%削減 - 2019年度目標
- 1990年度比49%削減
お客様が排出するCO2削減に貢献
省エネルギー設計による建物運用時CO2削減
- 2018年度実績
- 排出量4.6万t-CO2
1990年度比46%削減 - 2019年度目標
- 1990年度比47%削減
当社独自のCO2削減の取り組み
構工法改善
設計や施工を実施する建設物の構造や工法を従来の方法からCO2排出量の少ない方法へ改善しています。
グリーン調達
現場で使用するコンクリートの調達において、環境配慮型資材(高炉B種セメントなど)の採用を推進しています。
省エネ改修とビルマネジメント事業
既存建物の省エネルギー診断・提案からの省エネリニューアルや、関係会社(株)シミズ・ビルライフケアが管理を行う建物でのエネルギー分析、運転改善などを進めています。
建設副産物削減
作業所から排出される建設副産物の削減により、運搬・処理・処分時のCO2を削減しています。
再生可能エネルギー
太陽光、風力、バイオマス、中小水力などの再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組んでいます。12MW級の大型洋上風車を施工可能な、世界最大級の自航式SEP船の建造にも着手しました。
排出権の確保と活用
アルメニア共和国エレバン市およびウズベキスタン共和国タシケント市にて埋立処分場のメタンガスを回収するCDMプロジェクトを実施しています。
