地球環境

松阪 伊勢寺ネイチャー“あい”ランド

三重県は、尾鷲ヒノキをはじめとして古くから林業が盛んでした。ところが、近年は、森林労働者の高齢化や資金不足、林業の不振から、植樹や手入れが十分されない森林が多くなり、その荒廃が危惧されています。
そして今、対策として三重県は、土地所有者と企業を引き合わせ、森林再生活動のためのパートナー作りに力を入れています。
その趣旨に賛同し当社は土地所有者と森林保全協定を締結しました。ブランド牛で有名な松阪市にある伊勢寺町で森林づくりに取り組んでいます。

当社は活動方針として以下の4項目を掲げています。

  1. 当社の工事現場で消費する木材を、少しでも多く補うため森林育成に貢献します。
  2. 森林づくりにより、CO2削減に貢献します。
  3. 森林づくりにより、豪雨発生時の土砂崩壊を少しでも抑止します。
  4. 地域密着の活動により、地元の方との結びつきを深めます。

平成20年から活動をスタートし、現在は、春季3回、秋季3回の年6回の活動を行っています。具体的には、昔ながらの里山の再生を目指して、毎年1ヘクタールずつ除伐や間伐、植林を実施し、森の活性化に取り組んでいます。加えて、遊歩道の開設など、多くの人が自然に親しんでもらえるような環境作りを行っています。
地域交流の面では、地元の小学生を対象に自然観察会の実施や、幼稚園児の親子が作成した巣箱を設置するなど、地元の方と一緒に活動に取り組んでいます。

平成29年度の実績 累計
実施日 3月26日 4月16日 5月14日 9月10日 10月29日 11月26日 48回
参加者数 53名 56名 56名 55名 雨天中止 56名 2,337名
除伐や間伐植林
遊歩道の開設
自然観察会

ツルのねぐら整備

山口県周南市にある八代盆地はナベヅルの飛来地として知られています。日本では八代盆地のほかに鹿児島県出水市の2か所にしか渡来せず国の特別天然記念物に指定されているほか山口県の県鳥でもあります。
ナベヅルはツル科の鳥でシベリア南東部で繁殖し、冬は日本で越冬する渡り鳥です。渡来時期は10月下旬から3月上旬です。くちばしの先から足の先までが約100㎝あり、翼を開いた長さは約180㎝ほどになります。
明治時代初年からナベヅルの捕獲禁止や昭和60年には保護団が設立され保護活動に取り組まれてきていたが、八代盆地に渡来するナベヅルは昭和15年の355羽をピークに年々減少傾向にありました。

ナベヅル
ナベヅル

そのような中ねぐら周辺の道路改良工事に当社開発のエコロクリートが採用されこれを機にボランティアの誘いがあり平成9年より参加し始めました。活動の概要は年2回春と秋に有志10名~20名が参加し地元の方々と協力してねぐらの草刈りやえさ場の整備などを行っています。
その他鹿児島県出水市に渡来したナベヅルのうち、けがなどで保護されたツルを八代に移送し治療後放つなど八代へ渡来するツルの数を増やそうと取り組んでいます。また、この活動は地元の方のみならず周南市教育委員会からも表彰され広く認知されるようになりました。今後もこの活動を継続することでナベヅルの渡来環境整備に寄与できればと考えています。

ねぐらの草刈り
えさ場の整備

動物たちの道づくり(アニマルパスウェイの設置)

とても多い動物の交通事故死

野生動物は、高速道路だけで実に年間3万5千匹が交通事故で死んでいます。タヌキなど地上を歩き回る動物については、道路の下に横断用のトンネルを設置するなど、交通事故防止のための対策が比較的浸透してきました。しかし、リスやヤマネといった木の上で生活する動物(樹上性動物)の交通事故防止対策は、実施例が非常に少ないのが現状です。

そこで清水建設は、アニマルパスウェイ研究会※に2004年の結成当初から参画し、こうした樹上性動物のための通り道づくりを推進しています。

(公財)キープ協会やまねミュージアム、二ホンヤマネ保護研究グループ(NGO)のほか、清水建設を含む民間企業4社が参画。

交通事故

普及してきたアニマルパスウェイ

研究会結成当初は、どういった構造であれば動物が使いやすいか試行錯誤を繰り返しました。そして数々の検討の結果、橋の上部を三角形にすると、リスやヤマネなど多くの小動物にとって使いやすいということがわかりました。

これまでに山梨県北杜市に2ヵ所のほか、栃木県那須町の那須平成の森1ヵ所(環境省設置)の計3ヵ所にアニマルパスウェイを設置してきました。いずれのパスウェイも、その後のモニタリングにより、リスやヤマネなどの小動物が利用していることが確認されています。

こうした取り組みは、社会的にも徐々に認知されてきており、2008年には土木学会の環境賞を、2010年には、いきものにぎわい企業活動コンテストで環境大臣賞を受賞しました。今後も引続きアニマルパスウェイの普及に努め、動物の交通事故が少しでも減るよう活動していきたいと思います。

アニマルパスウェイ
アニマルパスウェイ

「いきもの共生事業所®」認証

研究所施設として技術研究所が初めて認証

2015年2月26日に、当社の技術研究所が、研究所施設としては初めて一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(略称ABINC:代表理事・中静透・東北大学大学院教授)から「いきもの共生事業所」として認証されました。

ABINCは、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された、2050年までの長期目標「自然と共生する世界」と、2020年までの短期目標「生物多様性の損失を止めるために効果的かつ緊急な行動を実施する」の実現のために、当社を始め、設計事務所、デベロッパーなど民間8社により、2013年12月に設立されました。

今回認証を受けた「いきもの共生事業所」とは、企業活動において自然と人との共生を促進するため、生物多様性に配慮した土地開発や利用を行っている事業所などに与えられる認証制度です。

認証には、一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(略称JBIB)が作成した「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」及び「土地利用通信簿®」を基準にして、ABINCが第三者評価・認証をしています。

1)生物多様性に貢献する環境づくり、2)生物多様性に配慮した維持管理、3)ステークホルダーとのコミュニケーションの3つの取り組みについて審査されます。

当研究所は、銀座から3kmほどの都心部に位置しており、周辺は今でこそ高層マンションが立ち並ぶ住宅街ですが、かつては埋立地の工業地帯で、決して生物多様性が豊かとは言えない環境でした。2002年の本館建て替えに伴い、2006年に人と生物の共存を目指して、旧本館跡地に「再生の杜」ビオトープを作りました。

ビオトープの広さは約2,000m2(40m×50m)で、あまり広くはありませんが、関東周辺の樹木約100種類600本を植えました。木の種類は、周辺の大きな緑地や公園に生息している生物が利用できるような種類を選びました。面積の約3割は小川と池で、水辺はなだらかな傾斜から、だんだんと深くなるエコトーンを形成しています。完成直後からトンボや水鳥が多数来訪し、最近はカワセミの姿も見られるようになりました。これまでにビオトープ全体で300種類以上の生物がやってきていることが確認されています。

都心に位置する研究所でありながら、多様な生物と共存することも可能となる取り組みを、いきもの共生事業所としての認証により、評価されたのではないかと思います。

ビオトープに来訪したいきものたち

アキアカネとチョウトンボ
アキアカネとチョウトンボ
アジアイトトンボ
アジアイトトンボ
オオヤマトンボ
オオヤマトンボ
アオサギ採餌中
アオサギ採餌中
カルガモ親子
カルガモ親子
カワセミ
カワセミ

間伐材利用の取り組み

現代の匠に受け継がれた技術

港区立エコプラザ[東京都]
港区立エコプラザ[東京都]

宮大工の頃より守り続けてきた清水建設の『木の技』は、総合建設業唯一の自社内工場である東京木工場の“現代の匠”達に、今も受け継がれています。

開設以来、東京木工場は時代の求めにお応えしながら、常に技術革新を続け、木造建築物や建物内装など数多くの製品を製作。お客様の高い評価をいただいています。

間伐材を身近な生活用品に

身近な生活用品を制作
身近な生活用品を制作

本業の建物だけでなく、その技術を活かした身近な生活用品を製作し、イベントなどで配布するノベルティグッズや株主優待品として、さまざまなステークホルダーの皆様にお届けしています。

山林の保全には、木の成長過程で密集化する立木を間引く、間伐作業が必要です。東京木工場の小集団活動のひとつである間伐材委員会のメンバーを中心に間伐材の有効利用活動を推進しています。

「清水建設のイメージはコンクリートだったが、精巧な木製品の製作を初めて知り、印象が変わった。」「木のぬくもりが、大変な今の時代に心の余裕を持つきっかけになった。」等、嬉しいお声をいただいています。

間伐実習体験

銀座歌舞伎座建替工事で、舞台床材の檜材供給などにご尽力頂いている神奈川県秦野市丹沢にある諸戸林業(株)神奈川支店に出向き、林業の現状や間伐についての勉強会を兼ねた実習体験を行いました。

実際に体験して間伐の重要性や林業が置かれている状況や抱えている問題点を再認識することができました。建設業の中でもとりわけ木に携わる者として、今後も継続的に活動を行っていきます。(建築事業本部 東京木工場 滝瀬智徳、外山紗江)

間伐されていない場所

間伐されていない場所

太陽光が差し込まず、下草が生えない為に、表面の土が流出して根が剥き出しになっています。土壌が脆く、根から腐朽菌が入り、木は朽ちてしまいます。

間伐から4年後

間伐から4年後

太陽光が十分届き、下草(ミツマタ)が生え、土の流出が抑えられて、健全な土壌となります。木は朽ちることなく健全に育ちます。

おすすめコンテンツ