大規模構造物の構造性能を調べます
建物を安全にそして経済的に建設・維持管理するためには、建物の構造性能を十二分に把握する必要があります。大型構造実験棟は、大型試験体に対応した大規模な実験施設と、自由度が高く複雑な加力を行える加力機器、高速で信頼性の高い計測機器を備えています。これらを駆使して構造実験を行い、新しく開発した様々な構造形式、形状、大きさ、材料の構造物について、構造性能や材料特性を明らかにして実用化につなげています。
実験内容
- 超高層ビル、地下貯蔵施設、シールドセグメント、原子力施設などの大規模モデルの構造実験
- 大空間構造、地下工法、超高強度RC構造などの部材や部位の構造実験
- 新素材・ファイバーコンクリート・超高強度鋼材などの材料試験
- 制震デバイスなどの高速載荷試験
- ハイブリッド架構、CFT柱など、特殊工法のモックアップ試験
施設の特徴
6MN構造物試験機
圧縮・引張とも最大6MNの荷重を加えることができます。加力フレームを組むことなく、圧縮・引張・曲げ試験を迅速に行うことができます。
大反力床・大反力壁
反力壁と反力床を使って、鉛直・水平方向に高い剛性で大きな荷重を加えることができます。
静的加力システム
汎用フレームと多数の各種ジャッキ類を組み合わせて、実構造物の応力状態や変形状態を模擬した複雑な加力実験が行えます。
動的加力システム(疲労試験機)
地震力を模擬した高速加力や、疲労特性を調べるための繰り返し加力を行うことができます。
実験例・成果例
- 超高強度鉄筋コンクリート構造の実用化
- フルプレキャスト工法の実用化
- ハイブリッド構造の実用化(RCSS構法、Hy-ECOS構法)
- 耐震補強工法の実用化(SR-CF工法)
- 制震構法の実用化(ダイナミックスクリュー、CSダンパー)
- 機械式定着工法による配筋合理化(Tヘッド工法)