安全衛生への取り組み

建設業では、発注者より依頼を受ける元請が建設プロジェクトの全体の工程を考えて、施工方法・施工スケジュールの検討を行い、施工計画を立案します。施工計画に基づいて、専門工種に分かれた協力会社の人々の作業が連携し、完成に向かいます。当社は、元請として協力会社を選定し、必要に応じて重層構造を構成して建設を進めています。

建設現場では、資機材の調達および協力会社選定および協力会社との連携が、品質・安全衛生・環境保全を確保するための重要な鍵となります。

安全衛生管理基本方針

基本理念

清水建設は、人命尊重、人間尊重の理念にたち、企業活動のすべての面において働く人の生命と健康を守ることを最優先とし、安全文化を定着させ、安全で快適な職場環境を形成する。

目標

公衆災害及び死亡重篤災害“ゼロ”

2018年度 目標 度数率0.60以下

目標達成のための方策

  1. 建設業労働安全衛生マネジメントシステムを運用し、リスクアセスメントによる予防型安全をさらに推進し、労働災害の継続的な減少を図る。
  2. 安全最優先のもとに、工事計画段階からダブルセーフティ等による安全設備の確保、施工手順の視える化を図り、安全と生産を両輪として事業活動を行う。
  3. 取引業者による自立型安全管理を促進し、災害防止協議会を活性化させ、当社と取引業者が役割と責任を明確にして災害防止を推進する。
  4. 事業者責任のもとに送り出し教育をさらに充実させ、作業員の安全順守を徹底させて新規入場者の災害を撲滅する。
  5. 従業員教育において、安全衛生の管理者としての知識と行動力を習得させ、法令順守(ルール厳守)、災害防止の推進者として育成する。
  6. 健康障害要因となる粉じん、石綿等の暴露を根絶するため、安全な作業ルールを強化し、健康障害防止教育の徹底を図る。

上記方策は工事を請負う取引業者にも適⽤します。
当社では、工事を請負う取引業者に「取引業者安全衛生管理要領」を配布し、取引業者の自立型安全衛生管理を促進しています。

2017年度の取り組み

基本に立ち返った安全管理の再徹底

部門が指定する危険作業などについて実態に即した作業計画を作成し、作業手順と安全ポイントを最前線の作業員まで周知した上で、PDCAをしっかり回していきます。

4つの重点施策

  • 墜落・転落災害の絶滅に向け、リスクを低減した安全な作業場所を確保し、安全帯の使用を徹底します。
  • 重機・クレーン関連災害の絶滅に向け、三点式重機やクレーンの転倒、車両系建設機械の逸走およびそれらとの接触を防止するための対策を徹底します。
  • 重量物などの倒壊災害の絶滅に向け、鉄骨やPCなどを取り扱う場合には安定性を確認した上で作業手順を厳守します。
  • 火災・インフラ損傷事故の絶滅に向け、引き続き「火なし工法」の採用を徹底し、インフラの見える化に取り組みます。

運用体制(責任、経営資源)

安全衛生管理体制

当社では、支店毎に労使の代表者による「支店安全衛生委員会」を毎月開催し、安全衛生活動等の報告・審議を実施し、決議事項等は社内イントラ等を活用して従業員に周知しています。さらに、「支店安全衛生委員会」を統括し、安全衛生管理、従業員の健康管理に関する事項等について審議等をするため、「全社安全衛生委員会」を設置しています。社長・副社長または安全環境本部長を委員長とし、労使の代表が委員となって開催します。

安全衛生管理体制図

安全衛生管理体制図

建設工事の安全衛生管理体制

建設工事の安全衛生管理体制は、社長の委嘱を受けた専務執行役員である「安全環境担当」が会社の安全衛生の推進を統括し、安全環境担当の指揮のもと、「安全環境本部長」が会社の施策立案・推進を担当しています。各支店においては、「支店長」が統括しています。

また、年1回、「安全委員会」を開催し、「安全環境担当」をはじめとする各委員に安全衛生活動状況の報告をするとともに、安全衛生計画に関する事項、重大な災害・事故の再発防止対策に関する事項等に関して立案、審議をしています。

建設工事の安全衛生管理体制

安全衛生に関する研修

入社年次、職能等に応じて、業務上必要な基本知識習得のため、階層別の基本教育を行っています。
2017年度の受講者数は以下の通りです。

教育の種類 対象 人数
新入従業員受入(雇入)研修 新入社員 268名
安全基礎研修 入社2~3年 140名
安全実務研修 入社4~5年 140名
統責者研修 入社6~7年 159名
安全環境管理講座 入社8~10年 110名

基本教育を補完するために、能力向上教育を行っています。
2017年度の受講者は以下の通りです。

教育の種類 対象 人数
工事長・主任研修 入社8年以上 1,487名

労働災害防止への取り組み

リスクアセスメントを活用した施工計画

リスクアセスメントとは、作業に潜む労働災害や事故が起こる可能性と重大性を調査(洗い出し・見積り・評価)し、適切なリスク低減措置を実施することです。

当社では、全社において過去に発生した災害に基づいたリスクアセスメントを実施し、リスクの高い作業を全社指定危険作業と定めるとともに、各支店でのリスクアセスメントに基づく指定危険作業を定めて、重点管理をしています。
すべての現場においては、着工前の着前検討会で現場に該当する危険作業を特定し、着工後は個別工事着工前打合せで作業手順毎にリスクアセスメントを行い、リスクの高い作業におけるリスク低減措置を重点実施事項として特定し、責任者を定めて確実に実施しています。
また、COHSMS(建設業労働安全衛生マネジメントシステム)をベースとして、PDCAサイクルを効果的に回すことで、安全衛生水準のスパイラルアップを図っています。

情報共有と未然防止の活動

毎作業日、毎週、毎月、当社と取引業者が一体となって行う基本的・定型的安全管理業務を安全施工サイクルといいます。安全施工サイクルを確実に回すことで、作業間連絡調整等の情報共有と災害の未然防止を図っています。

毎作業日のサイクル 週間サイクル 月間サイクル
いつ 何を いつ 何を いつ 何を
開始前
  1. 安全朝礼
  2. リスクアセスメント現地KY活動
  3. 設備、機械、環境点検・測定
平日
  1. 週間点検
  2. 一斉片付け
  3. 週間工程打合せ
  4. 安全協議会
所定日
  1. 安全協議会
  2. 特別安全協議会
  3. 安全大会
作業中
  1. 統責者巡視
  2. 作業中点検(当社、業者)
  3. 作業中の指導・監督
  4. 安全工程打合せ
  5. 個別作業打合せ
休前日
  1. 全休日の事前措置
作業終了時
  1. 持場片付け
  2. 終了時確認

また、全国安全週間、全国労働衛生週間に、社長および全社安全委員による現場安全パトロールを実施しています。

社長自ら現場安全パトロール

2017年度の現場安全パトロールの朝礼では「建設業にとって、品質と安全はどちらが欠けても成り立たない『安全なくして生産なし』という言葉をいま一度振り返り、互いに声を掛けあってルールを守ることを心掛けてほしい」との社長の挨拶がありました。

安全パトロールをする井上社長
安全パトロールをする井上社長
朝礼で挨拶する井上社長
朝礼で挨拶する井上社長

災害分析

労働災害等への対応は、次の手順で実施しています。

  1. 事故報告システムにより関係者で情報共有
  2. 安全スタッフを含めた災害調査の実施
  3. 調査・分析等に基づく、類似災害再発防止対策の立案、推進
  4. 必要に応じて社内水平展開の実施
  5. 災害データとして蓄積しリスクアセスメント等への活用および安全関係諸統計の整備
災害の型別内訳(休業4日以上)

災害の型別では、「転落」が最も多く、次いで「墜落」、「転倒」、「はさまれ」となりました。
休業4日以上の災害は、52件から42件に減少しました。

苦情処理メカニズム

安全衛生に関する苦情処理は以下で受け付けています。

協力会社の安全衛生

協力会社へ教育支援

当社は、協力業者が実施する次の安全衛生教育について、資料・場所の提供、講師の派遣等について援助、および指導を行っています。

九州支店で行われた「職長・安全衛生責任者教育」
九州支店で行われた「職長・安全衛生責任者教育」
  1. 作業者を雇入れたとき、事業場への新規送出しのとき、又は作業員の作業内容を変更したときの安全教育。
  2. 法令で指定する危険又は有害な業務の作業に対する特別教育。
  3. 職長・安全衛生責任者の教育。
  4. 危険有害業務従事者に対する教育、安全衛生業務従事者に対する能力向上教育等。
  5. その他玉掛・ガス溶接等の技能講習の受講促進についても当社は協力する。

協力会社とのコミュニケーション強化

当社には、協力会社と一体となって品質・安全の確保を行うため、「清水連合兼喜会」と「清水建設災害防止協議会」があります。
「清水連合兼喜会」は「優秀な技能工の育成」「生産性の向上」「コストダウン」「労働災害の撲滅」を目標に掲げ、自立的な活動を行っています。

さらに当社では、清水建設取引業者災害防止協議会が行う次の事業について指導と援助を行っています。

  1. 作業の安全衛生に関する研究及び安全衛生教育の実施
  2. 工事用機械器具、その他施設の安全衛生に関する研究
  3. 事故発生の原因の調査及び対策の実施
  4. 労働法令、その他安全衛生に関する諸事項の処理
  5. 取引業者間における安全衛生施策の調整
  6. 定期的な作業所のパトロールによる安全衛生指導
  7. 作業環境の調査及び施策の実施
  8. 労働安全衛生運動に関する各種行事の企画立案及び協力
  9. その他災害防止協議会の目的達成に必要なこと

安全衛生のパフォーマンスデータ

実績・目標・過年度の取り組み

KPI(重要評価指標) 2015年度実績 2016年度実績 2017年度実績 2018年度目標
安全衛生度数率 0.59 0.53 0.47 0.60以下

建設業労働災害防止協会は、清水建設名古屋支店の建設業労働安全衛生マネジメントシステム「コスモス」を新規に認定した。14支店中の1支店

2017年度の実績

安全衛生実績

安全衛生度数率

安全衛生度数率は0.47と2016年度の0.53から改善し、「目標0.60以下」を3年連続で達成しました。

安全衛生度数率:100万労働延べ時間当たりの死傷者数のこと
全産業、建設業は休業1日以上(暦年集計)、当社は休業4日以上(年度集計)

安全衛生度数率の推移
安全衛生度数の推移

安全成績の推移

区分 2015年度 2016年度 2017年度
度数率(休業4日以上) 0.8 0.66 0.47
強度率 0.28 0.18 0.18
災害件数 83 64 42

労働災害(死亡災害)

区分 2015年度 2016年度 2017年度
当社従業員死亡件数(件) 正規社員 0 0 0
契約社員 0 0 1
取引業者(工事協力会会社)の死亡件数(件) 3 2 1