カーボンネガティブ仕様の環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」を現場適用

~バイオ炭を混和し、コンクリート内部に炭素を貯留~

  • 環境

2024.02.01

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、バイオ炭を混和することでコンクリート内部に炭素を貯留する環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C※1」の現場展開において、このほど、カーボンネガティブ仕様の配合を初適用しました。適用現場は、「グッドマンビジネスパーク ステージ6ビルディング2新築工事(発注者:シラカミ特定目的会社)」で、510m3に及ぶレベルコンクリートの打設にSUSMICS-Cを活用しました。打設量は、カーボンネガティブ仕様の環境配慮型コンクリートの実績としては国内最大級となります。

SUSMICS-Cは、木質バイオマスの炭化物であるバイオ炭を混和した環境配慮型コンクリートで、木質バイオマスが成長過程で大気中から吸収したCO2が難分解性の炭素としてコンクリートに固定化されます。CO2の排出削減効果はバイオ炭の混和量と相関し、バイオ炭に固定されたCO2量がその他の材料製造等に起因するCO2排出量を上回れば、カーボンネガティブを実現できます。

今回の現場適用では、1kgあたり実質2.3kgのCO2を固定化※2したバイオ炭を60kg/m3混和した配合を採用し、バイオ炭を利用しない設計時の配合と比べて111%のCO2排出削減効果を実現しています。定量的な削減量は65.9トンと試算しており、CO2固定量の妥当性について、第三者の認証を取得するための準備を進めています。

SUSMICS-Cは、コンクリート練混ぜ時にバイオ炭を投入するだけで製造できる汎用性の高いコンクリート材で、既存の生コンプラントでの製造にも容易に対応できます。普通コンクリートと同様にポンプ圧送による打込みも可能で、今回の適用現場ではポンプ車による施工を実現しました。

当社は、バイオ炭を活用した環境配慮型施工技術を「SUSMICS」と総称し、シリーズ化しています。今後、コンクリート施工の脱炭素化に寄与する「SUSMICS-C」に加え、アスファルト合材の混合材料としてバイオ炭を利用し製造過程で生じるCO2排出量を実質ゼロにする「SUSMICS-A」、改良対象土に溶融スラグとバイオ炭を混入することで施工に起因するCO2排出量を実質ゼロにする地盤改良工法「SUSMICS-G」を現場のニーズに合わせて展開し、脱炭素社会の実現に寄与していく考えです。

  • ※1 SUSMICS-C:Sustainable + SMI(炭) + Carbon Storage + Concrete
  • ※2 J-クレジット制度「バイオ炭の農地施用にかかる方法論」を参考に、原料収集及び製造過程でのCO2排出量を考慮して試算。

以上

≪参 考≫

SUSMICS-Cのコンクリート断面(写真右)

SUSMICS-Cのコンクリート断面(写真右)

SUSMICS-Cの打込み状況

SUSMICS-Cの打込み状況

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