BLUE WINDが石狩湾新港で8MW風車14基を組み立て

清水建設（株）＜社長 井上和幸＞はこのほど、完成時には国内最大規模となる⽯狩湾新港洋上⾵⼒発電事業の洋上工事において、SEP船「BLUE WIND」による8MW風車14基の組み立てを終了しました。

⽯狩湾新港洋上風⼒発電事業の事業者は、（株）グリーンパワーインベストメントが設立したSPCの合同会社グリーンパワー石狩です。当該事業の建設海域は、石狩湾新港から約1,600m沖合にある面積約500haの海域で、北海道の石狩市と小樽市にまたがります。発電施設は8MWの風車14基と66kVの海底ケーブル約15.5kmから構成され、発電容量は112MW（接続容量約99MW）です。洋上工事の施工者は、当社が日鉄エンジニアリング（株）と組成した共同企業体で、日鉄エンジニアリング（株）が風車基礎および下部構造物の製造と施工、当社が風車のプレアッセンブル・洋上施工および海底ケーブル敷設を担当しました。

当社は、今回の工事に当たり石狩湾新港内に約10万m²の巨大な作業ヤードを構え、本年3月から当該事業に使用される風車のタワー・ナセル・ブレード（羽根）といった部材の受け入れを開始しました。SEP船での洋上施工に先行して、14基分の風車部材をヤードに仮置するとともに、3分割された状態で輸入・仮置きされたタワーの組み立て作業やタワー内の配線工事などを陸上で進めました。

BLUE WINDは7月初旬に石狩湾新港へ入港後、8MW風車部材を2基分ずつ搭載しては7回出港を繰り返し、計14基の風車を組み立てました。風車の洋上施工では、世界最高性能の2,500t吊りメインクレーンがフル稼働し、許容誤差数ミリという非常に精緻な施工精度が求められる中、タワー・ナセル・ブレードの各風車部材の据付作業を行い、台風や集中豪雨といった荒天に見舞われながらも、所定の工期内に完了することができました。

BLUE WINDによる今回の巨大風車の洋上施工実績は、当社の大きなノウハウであり、洋上風車プロジェクト受注の競争力となります。当社はこうしたノウハウを活かした施工提案を行うことで、洋上風力発電施設建設市場のトップランナーとして国内外で建設プロジェクトを受注していく考えです。