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安心・安全への取り組み

先端地震防災研究棟を積極的に活用

熊本地震の観測データに基づく再現実験・分析も開始。今後の地震対策技術の開発に活かす

2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」では、熊本県益城町での2度の震度7を含めて4月だけで震度5弱以上の揺れを伴う地震が18回発生するなど、熊本県を中心に大きな被害をもたらしました。当社では被災度調査・復旧対応はもちろん学術面からの現地調査も行い、震源断層と被害域との関係やこれまでの被害形態との違いなどについて分析を始めています。

技術研究所に2015年に完成した先端地震防災研究棟は2つの振動台を有し、実験・計測・解析を一体的に推進する地震防災の研究開発拠点です。過去に発生した世界中のさまざまな地震の揺れを再現できる大型振動台「E-Beetle」では、構造模型実験や設備機器類の実大スケールでの振動実験を行うことができます。熊本地震で観測された地震動に基づく実験を通して、被害の再現や地震対策技術の効果検証に活かしていく考えです。

また、熊本地震では長周期地震動で最大の「階級4*」を初めて観測しましたが、大振幅振動台「E-Spider」ではこのような長周期地震動を3次元でリアルに再現することが可能です。構造体の被害のみならず、設備機器や什器、さらには長周期の揺れが人に与える影響の解明にもつなげていきたいと考えています。

当社ではワンランク上の地震対策・BCPを目指して、ハード・ソフト・スキルの3つの視点からさまざまな技術を開発してきました。今回の地震の経験も踏まえて、より強靭で安全・安心な社会の実現に向けた技術の開発と展開を強化していく考えです。

長周期地震動階級:長周期地震動による高層ビル内等における揺れの大きさは、震度では把握が困難なことから、気象庁が設定し2013年11月から試行的に運用されている。最大の「階級4」では、人は立っていることができず、はわないと動くことができない。固定しない家具の大半が移動し、倒れるものもある

大型振動台「E-Beetle」での実験の様子(奥は大振幅振動台「E-Spider」)
大型振動台「E-Beetle」での実験の様子(奥は大振幅振動台「E-Spider」)
大型振動台 E-Beetle 大振幅振動台 E-Spider
テーブル寸法 7m×7m 4m×4m
最大搭載重量 70t 3t
最大加速度 2.7G(水平)
2.2G(上下)
※35t搭載時
1.0G(水平)
0.9G(上下)
※3t搭載時
最大変位 ±80cm(水平)
±40cm(上下)
±150cm(水平)
+90cm/−70cm(上下)