トップメッセージ

井上 和幸

「社会の期待を超える価値」を創造し、
持続可能な未来づくりに貢献します

「社会の期待を超える価値」を創造し、持続可能な未来づくりに貢献します

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

2022年度の連結業績は、2022年3月に子会社となった日本道路株式会社の業績が含まれることもあり、売上高1兆9,338億円、経常利益565億円、当期純利益490億円という結果になり、対前年度では増収増益となりました。
 足下では、企業による設備投資が活発化しており、また受注利益率も回復しつつありますが、当面は低採算の大型工事の消化が残るため、厳しい収益状況が続く見通しです。さらに、資材価格や労務費の上昇だけでなく、時間外労働の上限規制いわゆる2024年問題や、将来の担い手不足などへの対応も急務となっています。今後は業界全体でより一層厳しい対応が求められますが、サステナブルな企業であり続けるために、業界団体である日本建設業連合会と連携しながら、不断の努力を継続してまいります。

今年度は、2019年度から始まった中期経営計画〈2019‐2023〉の最終年度です。現在、本計画の振り返りを踏まえ、次の中期経営計画を練り始めている最中です。前回計画を策定した時とは経営環境が大きく異なっていますので、現在の状況をよく踏まえたうえで、次期中期経営計画を策定してまいります。

また、2023年4月26日に、200億円の自己株式の取得と消却についての計画、および政策保有株式の残高を連結純資産の20%以内とする政策保有株式の縮減目標と自己株式取得の継続、更には、現在30%程度としている連結配当性向の引き上げも今後検討していく旨を公表いたしました。ステークホルダーの皆様のご期待に応えるため、今後も資本効率の改善、株主還元の拡充に努めてまいります。

今年度も厳しい経営環境の継続が見込まれますが、中期経営計画に示した施策のもと、建設事業の深耕・進化と、非建設事業の収益基盤の確立および成長を支える経営基盤の強化を図り、事業活動を通じて社会的責任を果たすとともに、持続的な成長と企業価値の向上の実現を目指してまいります。そのためにも、まずは本業である建設事業の収益確保が急務となっていますので、これまで以上に採算重視の姿勢を徹底し、収益力強化を図ってまいります。

2023年5月
清水建設株式会社
取締役社長
井上 和幸