トップメッセージ

井上 和幸

「超建設」の新たなマインドセットで
未来に挑戦することで、
「社会の期待を超える価値」を創造し、
持続可能な未来づくりに貢献します

「超建設」の新たなマインドセットで未来に挑戦することで、「社会の期待を超える価値」を創造し、持続可能な未来づくりに貢献します

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

2024年5月、新たな経営の目標となる中期経営計画〈2024-2026〉を公表しました。前中期経営計画〈2019-2023〉の経営数値は、長期ビジョンであるSHIMZ VISION 2030で掲げた「あるべき姿」の実現に向け、2030年を起点にバックキャストで設定していました。しかし、この5年間は、新型コロナウィルス感染症の流行に加え、建設業においては、工事の大型化やウクライナ情勢等に端を発する建設資材・エネルギー価格の高騰など、策定段階には想定していなかった会社経営に大きな影響を与える外部環境の変化が生じ、売上高は目標に達したものの、利益は目標未達となりました。

一方で、建設事業においては大規模プロジェクトへの取り組み、非建設事業においては、SEP船の建造とその活用による洋上風力発電施設の施工、当社開発物件を中心とする私募REITの設立と運用。経営基盤に関しては、イノベーションと人財育成の拠点となる「温故創新の森NOVARE」の整備と一部運用など、様々な投資と施策を推進してきました。特に大規模プロジェクトへの取り組みでは、「麻布台ヒルズ」の施工などにおいて、先端技術開発やプロジェクト・マネジメントのノウハウ蓄積を図り、次の大規模プロジェクトの受注につながる大きな成果となりました。

足元の2023年度の連結業績は、建設資材価格の高騰などの影響が、特に大規模プロジェクトにおいて大きく業績の下振れ要因となり、売上高2兆55億円、経常利益マイナス198億円、当期純利益171億円という厳しい結果になりましたが、早期の業績回復を目指し、特に建設事業の収益向上については、受注前審査の厳格化、見積提出時の対応、契約条件交渉時の対応といった取り組みを全社で推進している最中です。

中期経営計画〈2024-2026〉期間には、建設事業の収益力向上と技術・品質の追求に加え、各事業に合った戦略を強力に推進するとともに、グローバルではそれぞれの進出国に根差した持続的・安定的な事業展開を図ってまいります。また、経営数値目標の達成に向けた資本政策および、事業・人財投資等の持続的成長に向けた投資、併せて、資本コストや株価を意識した経営を着実に実施し、企業価値の向上を目指します。

当社には、創業以来220年間受け継がれてきた「ものづくりの歴史と伝統、技術」があり、今後もしっかりと未来へつなげていかなければなりません。この未来への挑戦に、「超建設」の新たなマインドセットで取り組むこととしました。

「超建設」とは、今まで大切にしてきた価値を基礎とし、既存の事業や組織の枠を超えて、お客様や社会の本質的なニーズや課題を積極的に探究しつつ、建設をはじめとする事業を通じて、お客様や社会に新しい価値を提供し、その結果私たちも共に成長していくという考え方です。

中期経営計画〈2024-2026〉と新たなマインドセットにより、2024年度を新たなスタートの年と位置付け、お客様や社会の期待を超える価値の提供を実現してまいります。

2024年5月
清水建設株式会社
取締役社長
井上 和幸