建物空間に最適で快適な音環境を創造します
昨今、ホールや劇場はもちろん集合住宅やオフィス・学校など各種建築空間の音環境をいかに最適でかつ快適なものにするかということが大変重要となってきています。音響実験棟は、建物に関わるあらゆる「音」を総合的に実験・評価できる実験施設で、無響室、遮音・床衝撃音実験室、残響室の3つの実験室で構成されています。マンションやオフィスビルなどの適切な静けさを実現するための技術、音楽ホール・劇場のより良い音を創りだすための研究、街区レベルでの騒音伝搬を正確に予測するための研究など各種実験・試験を行います。
なお、音響実験棟の外壁は解体コンクリートを100%リサイクルした「コンクリート資源循環システム」を建物の構造材料として世界で初めて適用し、循環型社会にいち早く対応しました。
実験内容
- 床や壁などの各種建築部材の遮音性能や床衝撃音遮断性能試験
- 新しい騒音対策部材開発のための実験
- ホールや劇場でのより良い音を創りだすための実験
- 広域な屋外での音の伝わり方を予測するための実験
- 人間の音の感じ方や反応を調べるための実験
施設の特徴
無響室
- 平面7.2×7.2m、高さ8m、床はワイヤーを張り、床下3.2m高の空間を確保した完全無響室
- 空調騒音は最小可聴限以下を実現。屋外交通騒音は浮構造によりシャットアウト
- コンピュータ制御の5自由度トラバーサを完備、マイクロホンの位置を正確に設定し自動制御可能
遮音・床衝撃音実験室(TYPE-2実験室:JIS A1416規定)
- 遮音実験試験体はユニット化され、短時間で設置・交換が可能。試験体の周囲は幅60mmのエアシールで確実に密閉
- 床衝撃音遮断性能は200mm厚と150mm厚の2種の床スラブで実験可能
実験例・成果例
- 劇場・スタジオの音響縮尺模型実験
- 遮音バルコニーなどの騒音対策部材開発
- 波動音響数値解析の予測精度検証実験
- 重量床衝撃音低減デバイス開発