飯山市文化交流館なちゅら

飯山市文化交流館なちゅら

様々な素材を緻密に組み上げた建物

鉄筋コンクリートの躯体に鉄骨の梁をかけ、カラマツとコールテン鋼で覆った飯山市文化交流館「なちゅら」は、全ての梁が斜めに接合された繊細な建物です。内装はプレカットされたカラマツ、ヒノキなどの長野県産木材や和紙などで、飯山市の自然を表現する仕上げとなっており、通常の建物以上に入念な検討が必要でした。

躯体工事が豪雪期に重なったこともあり非常に難しい工事でしたが、緻密かつ地道な計画と施工の末に、市民や観光客などに幅広く利用して頂ける、素晴らしいデザインの文化交流館をつくり上げることができました。

飯山市文化交流館なちゅら
全ての梁が斜め

設計者のコメント

隈研吾建築都市設計事務所
隈 研吾

隈 研吾氏

雪国の新幹線の駅前にコミュニティの場をつくりました。コールテン鋼と唐松によって覆われた小山のような全体形は裏側の緑の小山と一体となって、新幹線の抽象性とコントラストを作っています。「なちゅら」は時間と共に飯山の風景の一つになってくれると思います。

メンテナンスフリーを目指した外装

隈研吾氏は外壁のコールテン鋼を「積雪対策以上に、新幹線独特のスピード感や重量を受け止めるため※」に選んだ、としています。

コールテン鋼と呼ばれる耐候性鋼材は、表面に緻密な酸化層を形成することで腐食を防ぎ、無塗装で使えるため、メンテナンスフリーでの長期供用を可能としています。低層部分の存在感あふれるカラマツと合わせて、冬期の暴露試験を行い、豪雪地帯での経年変化を確認しました。

出典:GA JAPAN 139 P.31

メンテナンスフリーを目指した外装 メンテナンスフリーを目指した外装

関連技術

組み木を活かした内装

なちゅらでは、木は仕上げ材であるだけでなく、音響性能を支える音響反射板であり、機材の目隠し材であり、キャットウォークを構成する部材でもあります。

多くは現地での加工ができないプレカット材(工場で事前に切断・加工した材料)を用いており、施工手順を一つ間違えると大部分がやり直しになってしまいます。そのため、使用する部材の分類、組合せを入念に検証し、施工手順をモックアップで繰返しシミュレーションしました。

組み木を活かした内装
組み木を活かした内装
組み木を活かした内装

関連技術

振動特性評価によって質感を高めたホール

振動特性評価によって質感を高めたホール

多目的ホールは基本機能としての音響性能に加え、多様な利用スタイルに対応できる柔軟性が求められます。

大ホールでは可動席を多く備え、530m2のイベントスペースから、760席のコンサートホールまで様々な使い方ができます。計画上の課題となったのは、可動席収納スペースの天井です。 イベントスペースとして使う時には人が歩きまわり、コンサートホールとして使う時には大きな荷重がかかるため、その振動特性がホールの質感を左右します。

計画にあたっては、綿密なシミュレーションに基づいてスラブ厚を決めました。

可動席

関連技術

フォトギャラリー

匠の極みに達した仕事

飯山市役所 建設水道部 まちづくり課
課長補佐(兼)計画係長
山﨑 武雄

山﨑 武雄様

飯山市文化交流館「なちゅら」は、訪れた人々にあたたかみを感じてもらうために、随所に信州産の木材を使用しています。難工事にもかかわらず、御社にはわれわれの期待を超える美しい建物を建てていただきました。匠の極みに達した仕事といえる出来栄えです。当施設が時を超え、大勢の人たちが訪れて賑わう場所になることを心から望んでいます。

所在地
長野県飯山市大字飯山1370-1
発注者
飯山市
設計・監理
隈研吾建築都市設計事務所・仲條一級建築士事務所
構造・規模
RC造 一部S造 3F
建築面積2,863m2 延床面積3,888m2
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