本文へ

コマツ粟津新組立工場

コマツ粟津新組立工場

高い省エネルギー性と生産性の両立を実現

2013年9月~2014年7月

電力消費が大きい生産施設では、省エネ効率を高めることで、環境負荷と維持管理コストを低減しながら、同時に高い生産性を確保することが、強い競争力の維持に欠かせません。

コマツ粟津工場内にある建設機械組立工場の建設では、「ダントツの環境性能と生産性を併せ持つ、未来を見据えた次世代工場」をコンセプトに、さまざまな建設技術と環境技術を用いました。

フリーアクセスピット

二重床による高い生産性の確保

「50年後まで競争力を維持し続ける生産施設を建設したい」というお客様の意図のもと、自由で効率のよい生産ラインエリアを構築するため、工場に最大32mスパンの大空間を設け、その床を取り外し可能な床パネルの二重床とする「シミズ・スマート・フロア・ファクトリー」を導入しました。

二重床は、4m角、厚さ30cmのPC製パネルを鉄骨桁の上に敷き並べて構成されています。同パネルの製作と敷設に向けては、実物大試験で強度や施工性などを繰り返し検証。工場で生産される最大36tの製品が自走しても支障がない二重床を実現しました。

従来は1階の床上に配置していた電源や配管、組立設備などを床下ピット(フリーアクセスピット)内に収容して、床上をフラット化。これにより、面積生産性が大幅に向上するとともに、パネルの入れ替えで将来の生産ラインの変更や増設にも素早くフレキシブルに対応できます。

採用技術

シミズ・スマート・フロア・ファクトリー

スマートフロアファクトリー(生産施設設計コンセプト)

省エネと快適環境の両立

省エネと快適環境の両立

シミズ・スマート・フロア・ファクトリーは、自然エネルギーの利用や高効率システムの導入と相性が良いのも特徴です。今回の建設では、床下ピットを利用した自然換気とダクトレス空調システムに加え、床パネルの孔から空調を行うことで高天井空間の居住域だけを効率よく空調する成層空調システムなど導入しました。

また、豊富な地下水を工場への導入外気処理や空調設備用熱源水として利用(地下水は熱のみ利用して地中に還元)したほか、屋根の天窓と連続調光式LED照明を組み合わせた自然採光システムも採用しました。加えて工場内には、お客様の協力企業によって、太陽光発電パネルや蓄電池、木質バイオマス発電なども設置されています。

省エネと快適環境の両立

これら設備機器の運転では、設備予測制御システムを用いて、気象データや施設の設備運転の実績データと現在データから翌日の空調負荷を予測、制御することで、省エネ効率をより高めています。

省エネと快適環境の両立

関連技術

フォトギャラリー

全景

コマツ粟津工場は敷地71万m2(東京ドーム15個分)の国内最大規模の工場。手前の太陽光パネルが設置された大きな建屋が新組立工場。左と奥の既存工場に接して増築された

中央通路上部

中央通路上部より。左がクローラー式車両の組立ライン、右がホイール(タイヤ)式車両の組立ライン。一般の方も上部の通路から二つの組立ラインを見学できる

クローラー式車両の組立ライン

クローラー式車両の組立ライン。設備・配管類がピット内に配置されているため、広々とした作業スペースとなっている

ホイール式車両の完成検査エリア

ホイール式車両の完成検査エリア。防音区画されたスペースに様々な設備が配置されている

ダントツの環境性能と生産性に期待

コマツ粟津工場プロジェクト室 岸中 俊之様

コマツ粟津工場プロジェクト室 岸中 俊之様

2013年3月に実施した設計コンペでは、貴社の床全面にピットを設けて床を2層式とする提案を高く評価し、設計・施工者に選定しました。大幅な生産性向上が期待でき、将来の生産ライン変更にも柔軟に対応できる魅力的な内容でした。また、地下水や地熱を利用した床吹上式成層空調は大幅な電力量削減が見込めました。納期必達の非常に忙しいプロジェクトでしたが、両社が知恵を出し合い、何とか間に合わせることができ、深く感謝しています。貴社の全く無駄のない工程管理には感心しました。生産ラインが稼働し始めましたが、新工場の真価が問われるのはこれからです。計画通リに生産性向上とともに、電力使用量が削減できることを期待しています。

工事概要

所在地 石川県小松市符津町ツ23
発注者 コマツ(株式会社小松製作所)
設計・監理 清水建設株式会社
工期 2013年9月~2014年7月
構造・規模 S造 2F
建築面積 27,875㎡ 延床面積32,220㎡
ソリューショントップへ戻る