土壌浄化

シミズの技術でよみがえるベトナムの大地

シミズの技術でよみがえるベトナムの大地

土壌浄化シミズの技術でよみがえるベトナムの大地

ベトナム国内では、ベトナム戦争時に米軍が散布した枯葉剤による汚染土壌が、今も深刻な健康被害をもたらしています。
ベトナム政府が2030年までに全土の土壌浄化事業を完了する目標を掲げている中、シミズは、独自の技術でこの問題の解決に取り組み、ベトナム国防省傘下の研究機関「CTET」と共同で、2019年1月中旬から汚染土壌の洗浄実証試験を行います。

  • CTET…Center for Technology of Environmental Treatmentの略

社会問題として残る汚染土壌

枯葉剤は除草剤の一種で、猛毒として知られるダイオキシンが高濃度で含まれています。ベトナムにおいては、米軍基地として利用されていたダナン、ビエンホア等の各空港をはじめ28ヵ所もの高濃度汚染エリアが存在し、大きな社会問題となっています。

高濃度汚染エリア

シミズは、この枯葉剤由来のダイオキシン汚染土壌に対し、これまでに日本国内で培ってきた洗浄技術が適用できるか、2014年から調査を進めてきました。
2016年2月には、ビエンホア地区で回収したダイオキシン汚染土壌の洗浄実験を実施。土壌浄化が可能なことを確認し、ベトナム関係機関(国防省、資源環境省)、米国開発庁に報告しました。

洗浄実験の様子
洗浄実験の様子

洗浄実験の様子

洗浄処理と焼却処理で100%無害化

シミズは、ダイオキシン汚染土壌の浄化方法として、独自の洗浄処理と焼却処理の組み合わせによる完全無害化を提案しています。
土壌洗浄プラントでは、ダイオキシン汚染土壌をふるい分け、粒子の大きさによって水洗いや摺り洗い、泡表面に汚染物質を付着させるなどして除去します。洗浄処理によるダイオキシン除去率の目標は、95%。この過程で無害化された土は再利用し、汚染物質が付着した濃縮汚染土は焼却処理することで、100%の無害化を実現します。
土壌洗浄を行うことにより、汚染土壌をすべて焼却処理する場合と比較して、2分の1程度のコストで土壌を無害化することができます。

洗浄処理と焼却処理の組み合わせにより完全無害化を図る
洗浄処理と焼却処理の組み合わせにより完全無害化を図る

ビエンホア空港内での洗浄実証試験

2018年11月、シミズはベトナム国防省傘下の研究機関「CTET」と共同で、ビエンホア空港内において、オンサイト型実規模の土壌洗浄プラントの建設に着手。翌2019年1月中旬から4月末までの3カ月半にわたり、ダイオキシン汚染土壌の洗浄実施試験を行います。

オンサイト型土壌洗浄プラント(イメージ)
オンサイト型土壌洗浄プラント(イメージ)

オンサイト型土壌洗浄プラント(イメージ)

実証試験に先立ち、9月4日には、首都ハノイでベトナム政府との実証実験の覚書締結式を行うともに、枯葉剤由来ダイオキシン汚染土壌の洗浄技術に関するセミナーを開催しました。
この実証実験を通じて、シミズの浄化技術の確実性と経済性を立証し、ビエンホア空港での本格土壌浄化事業への参画を目指します。

9月4日に行われた実証実験の覚書締結式
9月4日に行われた実証実験の覚書締結式

国際社会への貢献に向けて

シミズの土壌洗浄技術は、ダイオキシンだけでなく、重金属や油、放射性物質などの除去にも適用可能です。
国内で豊富な実績を持つ洗浄技術を今回ベトナムで展開し、今後の国際社会への貢献につなげていきます。

記載している情報は、2018年10月16日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。