変わる現場の働き方

ニューノーマルに向けた現場の取り組み

ニューノーマルに向けた現場の取り組み

変わる現場の働き方 ニューノーマルに向けた現場の取り組み

コロナ危機で人々のウイルスへの意識が高まり、行動様式に変容をもたらす中、シミズは、企業活動においても、働き方においても、環境変化への適応を図り、新しい常態、ニューノーマルに向けて変革を起こしていく必要があると考えています。
現在、このニューノーマル活動を全社的に展開しています。
一つひとつの業務を見直し、生産性の向上やパフォーマンスの発揮につなげていきます。
今回は、まず、ニューノーマルに向けた当社現場での事例について紹介します。

ペーパーレス図面チェック・回覧で業務を効率化

従来、図面のチェック業務は、紙に出力した設計図などに必要な情報を書き込み、関係各所に回覧して確認するという方法で行われてきました。しかし、在宅勤務の拡大により、紙媒体のやり取りが難しいことや、持ち帰りによる紛失リスクを回避することが課題に。そこで、PDFやCADデータを登録すると、紙の図面に書き込むのと同等の作業をコンピューター上で行うことができるソフト「TerioCloud」を利用して、ペーパーレスで図面チェックや確認のための回覧を行っています。
ソフトは、iPadなどのタブレット端末からも利用することができ、クラウド上でデータの共有ができるため、現場、設計、スタッフなど複数部署での図面チェックが可能。承認も電子化されているため、ペーパーレス化にもつながっています。

TerioCloud上で関連各所と図面を共有し、図面チェックが可能となった
TerioCloud上で関連各所と図面を共有し、図面チェックが可能となった

TerioCloud上で関連各所と図面を共有し、図面チェックが可能となった

「3眼カメラ配筋検査システム」で遠隔での効率の良い配筋検査が可能に

配筋検査は、コンクリート構造物の品質を保証する上で欠かせない重要な品質管理業務の一つです。人手に頼った方法が主流で、多くの手間がかかることが課題となっていました。「3眼カメラ配筋検査システム」は配筋検査の効率化を目的にシミズとシャープ(株)が共同開発し、「PRISM(プリズム:内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム)」を活用した国土交通省の公募に2期採択され、東北地方整備局発注の2つの工事で実用化されています。
鉄筋に向かって撮影すると3つの角度からの写真データが得られ、システム内で3次元解析されて、鉄筋径や配筋の平均間隔などをわずか7秒で自動算出。さらに検査帳票の自動作成まで、一連の流れを1台で行うことができます。

従来の配筋検査では、現場立会で施工者3名、発注者1名が実施
従来の配筋検査では、現場立会で施工者3名、発注者1名が実施
本システムなら、現場で施工者1名、発注者は遠隔での検査が可能
本システムなら、現場で施工者1名、発注者は遠隔での検査が可能

国土交通省が推進する「インフラ分野のDX」としても注目されています。本システムとウェアラブル端末を利用した双方向通信を組み合わせると、現場での検査員数は1名、検査時間は1/3以下と大幅に削減でき、計測結果はクラウドで情報共有できます。さらに、遠隔での配筋検査は感染対策にも有効です。

※DX:デジタルトランスフォーメーションの略。進化したデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させることを概念としている。

「リアルタイム遠隔立会システム」で検査時間のロスを削減

「リアルタイム遠隔立会システム」は、現場のタブレット端末で撮影したデータを発注者と施工者間で共有しながら検査を実施して、その場で帳票を作成するものです。

山岳トンネルなどの工事では、発注者の工事事務所が現場から離れており、発注者の検査員が長時間をかけて現場まで移動しなければならないケースが少なくありません。また、1日に現場内の複数箇所を巡回しながら検査を行うため、現場職員には、順番が回ってくるまでの待ち時間のロスが発生していました。

本システムを導入すれば、発注者が現場に赴くことなく、予定通りの時刻に検査を開始することができます。現場職員が検査箇所の数値データを帳票システムに入力し、電子黒板を作成して写真を撮影。ライブ映像と音声通話でやりとりをしながら確認し、発注者が承認すれば、クラウド上にアップロードされて検査が完了となり、事務所で写真整理や書類作成に追われることもなくなります。発注者・施工者双方の時間のロスを減らすメリットがある上、接触機会が減ることで感染対策にも役立ちます。

「リアルタイム遠隔立会システム」で検査時間のロスを削減
検査箇所撮影(タブレット)
発注者確認・承認(発注者事務所)
帳票(WEBにUP)

ニューノーマルに全社で対応

シミズでは、感染リスクの低減を図りながら企業活動を維持するため、モバイルパソコンの配備やTV会議の利用など、業務のデジタル化・働き方改革への取り組みを迅速に進めています。具体的な取り組みとして、急増するTV会議に対応するため、各会議室にTV会議システムを設置するとともに、TV会議用集中ブースを設置しました。
また、決裁書類のワークフロー化や社内通達文書への押印廃止を行い、ペーパーレス化の促進やハンコをベースとした仕事のやり方の大胆な見直しを行いました。さらに、社宅や寮の一部スペースをサテライトオフィスとして利用する環境を整備し、柔軟な働き方の実現を図っています。
今後も、固定観念にとらわれることなく、柔軟に幅広い視野を持ち、ニューノーマルに向けての取り組みを進めていきます。

Column
作業所での新型コロナウイルス感染対策
大規模な建設現場では、新規入場者を含め、毎日大勢の作業員が出入りします。新型コロナウイルスの感染を防ぎ、安全な作業環境を維持するために、作業所ではきめ細かなルールを設けています。
新東名高速道路川西工事作業所では、感染対策のルールを分かりやすく伝える動画を制作しました。飽きずに視聴してもらえるよう楽しいテイストとし、作業員からも好評を得ています。
現場入場時の検温や3密回避の徹底、共用部の消毒、マスク着用、衛生用品の配備、アクリル板による仕切りの設置、分散勤務やオンライン会議といった対策のほか、マウスシールドの着用を認めるなど、建設現場ならではのルールを運用しています。
作業中は、広大な現場の各所から対策状況を写真とともにスマートフォンで報告し、「安全日報」にはコロナ対策欄を設け、3密作業を洗い出して迅速に感染対策を検討・実施しています。さらに、県外から戻ってきた職員が万一感染していた場合に備え、プレハブのウェイティングルームや一時療養ハウスも用意しています。

記載している情報は、2020年12月24日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

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