タブレット端末を活用した山岳トンネル遠隔立会システムを開発

~実現場の品質・出来形検査に試験適用し、実用性を検証~

  • 土木技術

2018.12.25

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、山岳トンネル工事における検査・管理業務の合理化を目指し、タブレット端末を用いたリアルタイム遠隔立会システムを開発しました。本システムは、当社が開発を進めている次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」の一環として開発したもので、特徴は、発注者の検査員が現場に赴くことなく、遠隔地の端末上で施工状況の確認から記録写真・帳票類の承認に至る一連の検査プロセスを完結できることです。本年11月から、西日本高速道路(株)と共同で、同社発注の湯浅御坊道路川辺第一トンネル北工事(和歌山県)の品質・出来形検査の一部を対象に試験適用を開始しました。

山岳部のトンネル工事では、発注者の工事事務所が現場から離れているケースが散見されます。そうした現場では、品質・出来形検査に立ち会う発注者の検査員が長時間を掛けて現場まで移動しなければならず、日程調整に苦労することも少なくありません。遠隔立会システムは、建設現場の働き方改革が官民を挙げて進められている中、ICTを活用して物理的な距離を克服し、発注者・施工者双方の検査・管理業務の生産性向上を図るツールとして開発したものです。今回、発注工事における施工管理の業務効率化に取り組む西日本高速道路(株)からシステム機能を評価され、実現場での試験適用に至りました。

遠隔立会システムは、テレビ会議機能と検査値入力・立会写真撮影機能を備えた遠隔検査ソフト、施工者用のタブレット端末、発注者の工事事務所に設置する閲覧用PC、サーバーPC、トンネル内無線通信網等で構成されます。システム利用時は、工事事務所の閲覧用PCとトンネル坑内のタブレット端末をインターネット回線でつなぎ、タブレット端末で撮影した坑内のライブ映像と、施工者が入力する施工状況・検査値等の検査データを発注者・施工者間で共有しながら、品質・出来形検査を進めます。施工者が検査データを付与した立会写真を撮影し、発注者側が承認ボタンを押下することで承認手続きが完了します。承認後の写真・帳票データは即座にサーバーPCに保存され、WEB上で閲覧・ダウンロードできるため、工事関係者間でリアルタイムに検査結果を共有できます。

湯浅御坊道路川辺第一トンネル北工事では、吹付けコンクリート厚の検測時、覆工コンクリート打込み状況の確認時に本システムを試験適用し、遠隔立会検査の実用性を検証します。併せて、覆工コンクリートの圧縮強度試験を対象に、現場事務所とコンクリートプラント試験室をつないだ遠隔立会にも適用します。

今後、適用現場、適用検査項目の拡大を図りながら、山岳トンネル施工の生産性向上に注力していく考えです。

以上

≪参 考≫

システム概要図

システム概要図

湯浅御坊道路 川辺第一トンネル北工事の概要

工事場所 和歌山県有田郡広川町~日高郡日高川町中津川
工期 平成27年10月1日~平成31年9月22日
発注者 西日本高速道路(株)関西支社 和歌山工事事務所
施工者 清水建設(株)関西支店
工事延長 2,706.5m(トンネル2,641.0m、土工65.5m)
掘削土量 151,000m3

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