環境経営

方針・基本的な考え方

清水建設は、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」 において「地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現」を掲げました。そして1997年に制定された「環境基本方針」(2019年改訂)における「基本姿勢」および「行動指針」に基づき、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」を策定しました。同ビジョンに基づき、当社はCO2排出量、原材料、水使用量、および使用エネルギーの削減、廃棄物の発生抑制と省資源・資源循環、生物多様性の保全と自然保護、環境汚染の防止に取り組みます。

環境基本方針

1997年4月、当社は「環境基本方針」を制定し、全社で環境経営を推進しています。その後、2003年4月、2004年4月、2006年4月、2019年5月に改訂し、現在に至っております。

SHIMZ Beyond Zero 2050

シミズグループでは、環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」を策定し、目指す持続可能な社会を「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」と定め、それらの実現に貢献すべく、2050年までに自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、お客様や社会にプラスの環境価値を積極的に提供していくこと(Beyond Zero)を目指すべき姿として掲げています。

SHIMZ Beyond Zero 2050

戦略・体制

戦略

清水建設は2025年10月、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」達成に向けたロードマップを策定しました。ビジョンの実現に向け、「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の3分野について、2030年・2040年時点の中間目標を含む2050年までの環境KPIを掲げ、それらの実現に向けた各種施策を推進しています。

脱炭素

取り組み方針
  • シミズグループは、「2050年カーボンニュートラル」に向けて、温室効果ガス排出削減目標(1.5℃水準)を設定しました。
  • この目標に基づき、Scope1・2(施工時・自社施設運用時)の削減は勿論のこと、サプライチェーンを通じてScope3(資材製造時・建物運用時など)の削減にも積極的に取り組んでいきます。
  • さらに、新たな脱炭素技術の開発、グリーンエネルギー事業、再生可能エネルギー施設の建設などにより、脱炭素社会を牽引していきます。
脱炭素社会
ロードマップ
脱炭素ロードマップ

資源循環

取り組み方針
  • シミズグループは、これまで建設副産物の最終処分ゼロを目指し、4R活動(リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)を精力的に推進し、一定の成果を得てきました。
  • 今後は、従来の4Rに加えて、資源投入量・消費量を抑えつつストックを有効活用しながら価値最大化を図る「サーキュラーエコノミー」への貢献を目指します。
  • すべての自社活動において資源の循環を指向することにより、脱炭素や自然共生にも貢献していきます。
資源循環社会
ロードマップ
資源循環ロードマップ

自然共生

取り組み方針
  • 建設業は、土地の改変や樹木の伐採など、自然環境に及ぼす影響が注目されがちです。
  • シミズグループは、「2030年ネイチャーポジティブの実現」という国際的な目標も踏まえて、手始めに自社オフィス・保有施設による生物多様性の損失を2030年までに反転させます。また、すべての事業活動による生態系への負の影響を2050年までにゼロにすることを目指します。
  • さらに、グリーンインフラを導入することで、みどりの「多機能性」を生かした景観の形成や、地域社会の課題解決を通じた自然資本の保全により、地域の生物多様性がプラスされた豊かな環境を次世代に残していきます。
自然共生社会
ロードマップ
自然共生ロードマップ

体制

清水建設およびグループ会社(以下、シミズグループ)は、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」と「中期経営計画<2024-2026>」において、気候変動を含む環境問題を経営に重要な影響を与える課題の1つと位置付けています。

当社では、環境問題に関する基本的な方針および施策を「サステナビリティ委員会(委員長:社長)」で審議しています。本委員会は、サステナビリティ担当役員が副委員長を担い、安全環境担当役員、各事業担当役員などで構成され、気候関連のリスク・機会の特定とその評価結果を審議するとともに、CO2排出量削減目標等の達成度も管理しています。また、これらの審議結果は取締役会に報告され、監督する体制となっています。さらに、社長直轄の組織である「環境経営推進室」が、シミズグループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の達成に向けた活動等を統括しています。

シミズグループの環境問題に関する重要決定事項は「環境経営担当者会議」と「グループ会社環境経営担当者会議」を通じて、事業部門(支店を含む)およびグループ会社に伝達され、主要サプライヤーも含めた環境に関するガバナンス体系を構築しています。

目標・実績

環境に関する目標および実績は、「マテリアリティ(重要課題)」および「環境パフォーマンスデータ」をご覧下さい。また、「脱炭素」、「資源循環」、「自然共生(生物多様性)」、「環境汚染防止と水資源」、「森林資源」の目標は、各ページの「目標・実績」をご参照ください。

取り組み

ISO14001認証

当社では1998年にエンジニアリング事業本部が、1999年3月に海外拠点を除く他の全部門と支店が認証取得しました。

2025年1月現在、当社の認証範囲に役員・従業員の約92%が含まれます。

ISO14001認証の取得事業所

ISO14001認証の取得事業所 認証を取得している事業所比率
国内
  • 国内全事業部門
92%
海外
  • タイ:タイシミズ社
  • ベトナム:ハノイ営業所/シミズ・ベトナム社
  • マレーシア:マレーシア営業所
  • インド:シミズ・インド社
  • インドネシア:ジャカルタ営業所
  • 中国:清水建設(中国)有限公司
  • シンガポール:シンガポール営業所
  • 台湾:台北営業所
  • フィリピン:シミズ・フィリピン社
シミズグループ
  • (株)エスシー・プレコン
  • (株)シミズ・ビルライフケア
  • 第一設備工業(株)
  • 日本ファブテック(株)
  • 日本道路(株)
  • 清水総合開発(株)PM事業部

エコ・ファースト認定

当社は、2018年に企業が環境大臣に対し自らの環境保全に対する取り組みを約束する「エコ・ファースト制度」の認定を取得しました。当社のエコ・ファーストの約束は、地球温暖化対策や資源の有効利用、生物多様性への取り組みなどの2030年度目標を骨子とした内容としています。

エコ・ファースト認証企業として、エコ・ファースト推進協議会にも幹事企業として参画し、積極的な活動を行っています。

エコ・ファースト認証

イニシアチブ

日本経済団体連合会(経団連)

経団連は、経済界が直面する様々な内外の課題について、各組織から意見を集約し、着実かつ迅速な実施を目指しています。清水建設は経団連の立場に賛同するとともに、適宜必要な提言を行っています。

気候変動

当社は、気候変動関連の問題に関して日本政府と緊密に連携し、パリ協定への貢献を目指す企業を支援するためのさまざまな活動を行っています。環境経営を統括する取締役副社長は、経団連の気候変動担当委員会の1つである「環境安全委員会」の委員に任命されています。この委員会は、気候変動に関する行動指針を決定し、日本企業に周知徹底するものです。また、環境省や経済産業省とも連携し、企業向けの様々なリソースや情報を提供しています。

生物多様性の保全

経団連自然保護協議会は、自然保護に関するさまざまな活動を行う、経団連会員企業による組織です。リオの地球サミット(環境と開発に関する国連会議)が開催された1992年に、「経団連地球環境憲章」の考えを自然保護分野で実践する組織として、経団連自然保護基金(以下、基金)とともに設立されました。以来、基金を通じたNGOの自然保護プロジェクトへの支援やNGOとの交流、企業への啓発・情報提供・情報発信、生物多様性の国際目標・国内政策等への提言をはじめとする様々な活動を展開しています。当社は常任委員企業として活動に参画しており、当社役員が副会長を務めています。

日本建設業連合会(日建連)

清水建設は、建設業を代表する業界団体である日本建設業連合会の立場に賛同するとともに、適宜必要な提言を行っています。当社は、気候変動に関する委員会・部会に参加し、業界全体に対する施策を他社と企画・実行しています。当社から、環境委員会内の環境経営部会、温暖化対策部会、生物多様性部会、建設副産物部会等にそれぞれ従業員が参加しています。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)

環境経営分科会やESG分科会、サーキュラーエコノミー分科会など、以下の示す分科会に参加し、参加企業との活発な意見交換を行うことで自社の取り組みに活かしています。

分科会 内容
サプライチェーン CSR調達の普及活動、CSR調達に役立つアウトプットの作成
環境経営 環境経営に関わる最新情報、環境経営推進における課題や実践方法の共有
SDGs SDGsの最新情報の研究、日本企業のSDGsへの取り組みの加速
ESG ESG投資の全体への理解の深化、ESG情報開示の潮流の把握、ベストプラクティスの研究
サーキュラーエコノミー サーキュラーエコノミーに対する考え方の整理や動向、事例研究およびネットワーキング

その他のイニシアチブ、参画している団体等

イニシアチブへの参画

カテゴリ 団体名 活動内容 ロゴ
気候変動・脱炭素 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)コンソーシアム 気候変動による事業への影響を重要な経営課題の一つとして捉え、TCFD提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに参画することで、提言に沿った気候関連の情報開示を行っています。

シミズグループのTCFD提言に基づく気候関連の情報開示

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)コンソーシアム
SBTi(Science Based Targets イニシアティブ) 脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、気候関連問題が事業に及ぼす影響を評価・管理するため、CO2総排出量を指標とし、SBTに基づいた中長期の削減目標を設定しています。

シミズグループのSBTに基づく中長期のCO2削減目標

SBTi(Science Based Targets イニシアティブ)
GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ GXリーグとは、GXに積極的に取り組む企業群が、官・学・金(金融)と共に経済、社会、システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場です。当社としても、GXリーグに参画し参加企業や団体と協業することで、2050カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。 GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ
生物多様性 TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラム 自然環境や生物多様性に関するリスク・機会の情報開示を企業に促す枠組みを構築し、自然資本に損失を与える資金の流れを反転させることで、生物多様性の回復を目指すイニシアティブであるTNFD。この理念に賛同するとともに、情報開示フレームワークの構築を支援するステークホルダー組織であるTNFDフォーラムに参画することで、自然資本に関する適切な情報開示を進めていきます。

シミズグループのTNFD提言に基づく自然関連の情報開示

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラム
環境保全 環境省(エコ・ファースト制度) 企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取組みを約束し、その企業が、環境の分野において「先進的、独自的でかつ波及効果のある事業活動」を行っている企業(業界における環境先進企業)であることを、環境大臣が認定する制度。 エコ・ファースト ロゴ
気候変動・脱炭素 電動車活用推進コンソーシアム 電動車導入の課題を解決し、脱炭素社会の実現を目的として、2020年に設立した団体です。当社はその活動趣旨に賛同し、建設業としては最も早い2021年3月より入会し、自社が使用する社用車のみならず、お客様に提供する建物のEV車充電環境という切り口で、その普及に寄与するべく活動しています。
資源循環 サーキュラーパートナーズ(CPs) 2023年3月に策定された「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき、経済産業省により設立された産官学の連携を促進するためのパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」に当社も参画しています。
この中の活動である領域別ワーキンググループ(以下WG)のうち建設領域WGと、CE情報流通プラットフォーム構築WGには、開始時点から参画し、同メンバーであるゼネコン各社やサプライチェーン企業と議論を重ねています。
サーキュラーパートナーズ(CPs)ロゴ
循環経済パートナーシップ(J4CE) 国内の企業を含めた幅広い関係者の循環経済への更なる理解醸成と取組の促進を目指して、官民連携を強化することを目的として環境省が主導して設立した「循環経済パートナーシップ」に当社も参画しています。
本枠組みを通じて、当社の取組みを公開し、参加する各企業との情報連携を進めています
循環経済パートナーシップ(J4CE)ロゴ
水循環企業登録・認証制度 内閣官房水循環政策本部事務局では、企業による水循環に資する取組の更なる促進を図るため、水循環に資する取組に関心のある企業や取組を実施している企業を積極的に登録・認証する「水循環企業登録・認証制度」を実施しています。
当社は2025年10月、水循環に資する取組を積極的に実施している「水循環ACTIVE企業」として認証されました。
水循環企業登録・認証制度ロゴ

SBT:Science Based Targets(科学的根拠に基づく目標)
世界の平均気温の上昇を「2℃(1.5℃)未満」に抑えるために設定されている、企業の科学的な知見と整合した温室効果ガスの排出量削減目標

活動趣旨に賛同し、参画している団体
カテゴリ 団体名 活動理念 ロゴ
気候変動・脱炭素 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP) 持続可能な脱炭素社会の実現には産業界が健全な危機感を持ち、積極的な行動を開始すべきであるという認識の下に2009年に発足した、日本独自の企業グループです。脱炭素社会への移行を先導することで、社会から求められる企業となることを目指しています。当社はJCLPが主催するCOP報告会等に参画しています。 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)
一般社団法人カーボンリサイクルファンド 地球温暖化問題とエネルギーアクセス改善の同時解決を目指し、CO2を資源として捉え循環利用する研究助成や広報活動などを推進しイノベーションの創出を図ります。当社はCRFと連携して複数の展示会、国際会議等のイベントに参画しています。 一般社団法人カーボンリサイクルファンド
特定非営利活動法人 日本水フォーラム(JWF) 国内外の水関係者の交流連携窓口として、国内はもとより、国連機関・国際機関、開発銀行、諸外国の政府・自治体、民間企業、研究者、NGOなどの多様な関係者と連携しているJWF。
そのネットワークのもと、日本を含めた世界の水問題解決のために行動を起こす機会を創出し、地球上のすべての人々が、水の恩恵と価値を最大限に享受できることを目指して活動をしています。
特定非営利活動法人 日本水フォーラム
くまもと雨庭パートナーシップ 自発的に雨庭の整備と普及に貢献することを目的とする団体です。
2030年までに熊本県内に2030か所の雨庭を整備することを目標とし、2023年5月に設立されました。
特定非営利活動法人 日本水フォーラム

公共政策、規制に対する当社の立場

当社は、政府が掲げる2050年にカーボンニュートラルを目指す目標に賛同し、これに整合する自社目標を設定しています。また、国の気候変動に関する省エネ法や温対法を支持し、行政へエネルギー使用量やエネルギー削減目標の進捗、温室効果ガス排出量等を毎年報告するなど、政策担当者と適宜協働しています。

加えて、GX推進法に基づく排出量取引制度(GX-ETS)をその活動内容の一部とする経済産業省主導のGXリーグフェーズ1に自主的に参画しています。

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