暮らしを築く・社会を守るサステナブルなまちづくりのモデル
『オアーゼ芝浦』
公道を挟んだ3棟が、ひとつのスマートコミュニティに
既成市街地に国内初のスマートコミュニティ
ますます開発が進み、国内外から注目が集まる東京港区の臨海エリア。この地に2014年、シミズの設計施工で、既成市街地としては国内初のスマートコミュニティとなる「オアーゼ芝浦」が完成しました。
公道を挟んだ3つの敷地に位置する3棟のビルの一体開発で、A棟・C棟はオフィス、B棟は集合住宅です。用途の異なる建物を同時開発するメリットを活かし、スマートなエネルギー利用、地域の交流、防災への貢献を実現しています。
オアーゼ芝浦は、お客様、行政、地域と数多くの協働を経験してきたシミズが、その技術力・ソリューション力を発揮した、サステナブルなまちづくりのモデルケースとなりました。
日本での発祥地に「都市のオアシス」を
オアーゼ芝浦の計画地は、世界的ブランドを持つ飲料メーカーが、かつて日本初進出の際に拠点とした場所です。日本での発祥の地の再開発にあたって、お客様には強い希望がありました。地域に貢献できるまちづくりがしたい、機能とうるおいが共存する「都会のオアシス」をつくりたい。
その思いを受け、公道によって3つに隔てられた敷地で「理想のまちづくり」を実現するためには、さまざまな行政府との連携が不可欠でした。
ABC棟に囲まれた公道を、緑あふれ、心うるおうコミュニケーションの場に
プロジェクトの社会的価値がソリューションの力に
オアーゼ芝浦が本格的なスマートコミュニティを実現できた理由は、プロジェクトの目指すまちづくりが、多くの行政機関から高く評価されたからにほかなりません。お客様の願いである「地域コミュニティへの貢献」を、サステナブルな社会に向けた「社会の要請」と結びつけたことで、国土交通省、関東経済産業局、港区という異なる3つの行政庁からの許認可を同時に取得。公道下に独自のライフラインを敷き、3街区が一体となって電力や熱を融通利用できるインフラを整え、既存市街地としては国内初のスマートコミュニティが完成しました。
電力ピークを抑制し、効率的なエネルギー利用へ
行政から高く評価された効率的なエネルギー利用を実現したのは、電力の需要と供給を予測し、最適にコントロールするCEMS(コミュニティエネルギーマネジメントシステム)。
3棟の電力をA棟でまとめて受電し、オフィスと集合住宅のエネルギー使用のピークのずれを平準化することで、電力ピークを抑制しています。CEMSによって各ビルに振り分けられるエネルギーの中には、オアーゼ芝浦敷地内のコージェネレーション※でつくられる電力も。コージェネ電力を3棟で融通することで、非常時にもエレベーターや照明を稼働できるなど、まち全体の防災性向上にも大きく貢献しています。
「働く人」「住む人」そして「地域の人」の立体的な交流を
3棟同時開発のメリットは、エネルギー効率だけではありません。3棟に囲まれた公道を舗装し直し、敷地内のオープンスペースと一体的に緑化。かつては「裏通り」だった場所を、人々が行き交い・集うことのできる「中通り」へと変身させたのです。
建物においても、上下階をつなぐ吹き抜けのリフレッシュエリアや回遊式の天空テラスを設けるなど、3棟の内外にさまざまなコミュニケーション空間を展開。働く人、住む人、そして地域の人が集まり、憩い、新しいつながりが生まれる場を提供しています。
非常時も地域の人々のオアシスであるために
人が集う場所「都市のオアシス」を目指すオアーゼ芝浦は、平常時だけでなく、非常時の地域貢献も強く意識した設計となっています。中通りに面するオープンスペースには、帰宅困難者の一時滞在場所や防災備蓄倉庫を確保、災害時には炊き出しも可能な応急活動用スペースとして提供することができます。また、2階にあるテラスは、津波や水害時の緊急避難場所としても機能。人々が安心して集い、働き、住まう空間として、細部にまで配慮しています。
都市をつくることは、未来をつくること
行政との協働をかなえ、最先端のエネルギー利用をかなえ、そしてお客様の願いである地域貢献をかなえて、オアーゼ芝浦は誕生しました。公道を挟んだ3棟をひとつのまちとして先進的なスマートコミュニティを構築できたのは、お客様とユーザーのみならず、社会全体にとって満足のいくプロジェクトだったからと言えます。
未来をより良くするために、これからもシミズのまちづくりは続きます。
記載している情報は、2017年9月1日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。