設計施工ハイライト

世界の“BEPPU”の一翼を担う
「ANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパ」

設計施工ハイライト

設計施工ハイライト世界の“BEPPU”の一翼を担う
「ANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパ」

温泉数、湧出量ともに日本一で、源泉数では世界一を誇る温泉都市「別府」。別府八湯と言われる温泉郷の一つ、明礬(みょうばん)温泉地区に、2019年8月、『温泉&リゾート』をテーマとする「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」が誕生しました。
当社の投資開発本部も事業に参画し、設計施工で取り組んだ、大分県で初めてとなる五つ星ラグジュアリーホテルです。

温泉郷を一望する贅沢な驚きの空間

本ホテルは、別府市街および海と山を臨む高台の好立地に位置し、ホテル内の随所から圧倒的な眺望を存分に楽しむことができます。別府市街のいたるところから立ち上る温泉蒸気が、ここでしか見られない風景を見せてくれるだけでなく、天候によっては眼下に低く雲が立ち込め、まるで雲上の楽園にいるかのような体験をすることができます。

プールエッジより別府湾・市街地を臨む
プールエッジより別府湾・市街地を臨む

日本を代表する温泉地である別府に、世界各国からのエリートトラベラーを迎え入れるに当たり、「グローバルリゾートとしての設え」と「別府温泉らしさ」の融合を意識した設計としました。
エントランスから客室の中に至るまで、木や石や竹といった自然素材がふんだんに使用されています。

大分県産「日田杉」、別府産「別府石」といった地元の材料で構成した車寄せ
大分県産「日田杉」、別府産「別府石」といった地元の材料で構成した車寄せ
別府特産の竹細工が映えるエントランスホール
別府特産の竹細工が映えるエントランスホール
別府湾を一望できるコーナースイート
別府湾を一望できるコーナースイート

多様な水景を駆使して「BEPPU」ブランドを訴求

温泉地のホテルとして、趣向を凝らした露天風呂や大浴場、客室のバルコニー温泉、家族風呂といった温泉文化を満喫できる施設に加え、大小の水盤や滝、インフィニティプールといった多様な水景により、リゾート感を演出しています。
国際性と地域性を融合させたグローカルな機能構成とする一方で、世界に「BEPPU」ブランドを訴求すべく、ここでしか体験できない唯一無二の風景を創出しました。

九州支店 熊本営業所 工事長 土志田忠弘
九州支店 熊本営業所 工事長 土志田忠弘

中でも、目玉となる露天風呂には、30年以上寝かせて色を落ち着かせた「別府石」の巨石群を使用しました。

施工を担当した工事長の土志田忠弘は、「事前に作業員、デザイナー、設計者を含めて、石積み方法などを何度も検討しました。
実施工の時には皆で立ち会いながら、図面では表しきれない雰囲気を大切にし、趣ある露天風呂を作成することができました」と語ります。

自然に付いた苔や草木をあえて残すことで、あたかも昔からそこにあったかのような野趣あふれる風情を形成しつつ、杉ルーバー製の傘群で覆い、「懐かしさ」と「新しさ」が同居した空間を創り上げました。

別府石の巨石と杉ルーバー製の傘が印象的な1階の露天風呂
別府石の巨石と杉ルーバー製の傘が印象的な1階の露天風呂
効果的に照明を配したインフィニティプール
効果的に照明を配したインフィニティプール
別府湾の風景を独り占めできるプライベート温泉
別府湾の風景を独り占めできるプライベート温泉

五感を刺激する落ち着きの空間

全客室にはゲストが周囲の豊かな自然を肌で感じることができるよう、奥行きの深いバルコニーを設置しています。滑らかな手触りや、客室を満たす香りがもたらすヒーリング効果を期待し、ヒノキの無垢材で製作した格子間仕切りを採用することで、宿泊者の五感を刺激する空間に仕上げています。海外デザイナーの発案による格子の自由曲線では、細さの限界を追求し、日本の伝統的な木格子が有する繊細さを、より強調する意匠となっています。

全客室に九州の名工の手による美しいヒノキ格子を採用
全客室に九州の名工の手による美しいヒノキ格子を採用

随所に光る「別府らしさ」

建材には、地産地消を推進すべく、県産材である「日田杉」や、別府で採れる「別府石」といった地元の材料を積極的に活用しました。

設計本部 商業・複合施設設計部 グループ長 石谷貴行
設計本部 商業・複合施設設計部 グループ長  石谷貴行

地場の物を使うことに強いこだわりを持っていた設計本部の石谷貴行は、「設計者としては、地場の材料をよりナチュラルに見せることに気を使って取り組みました。例えば、エントランスの庇に用いる大分県産の『日田杉』は、無垢で色ムラのあるまま用いることで、よりピュアな状態をお客様に見ていただくことを意識しました」と話します。

内装材や家具、装飾品に至るまで、当地の特産品である「竹細工」をはじめとした地元の伝統工芸品やアート作品をふんだんに取り入れ、地域経済への貢献を図るとともに、施設内のさまざまな場所、シーンで「別府らしさ」を感じることができます。

レストラン&バーの家具にも竹を使用
レストラン&バーの家具にも竹を使用
工芸品やアート作品が散りばめられた温泉ラウンジ
工芸品やアート作品が散りばめられた温泉ラウンジ

随所でこだわりを追求した本プロジェクトでは、早期に客室のモックアップルームを制作するなど設計施工のメリットを最大限に生かし、温泉地別府を代表するラグジュアリーホテルを完成させることができました。
「日本の『別府』が世界の『BEPPU』としてさらなる飛躍を遂げる、そのお手伝いができたことを誇りに思います」と石谷は語ります。

記載している情報は、2019年12月16日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

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