
世界に発信する病院づくり
外堀通りに面して数百メートルに渡って連なる順天堂大学の建物群は、東京・御茶ノ水の風景のシンボル。都心にありながら、神田川の水辺の自然とキャンパス内の空地に整備した緑地が豊かな環境を創り出しています。
ひときわ大きなB棟建設は、2013年の創立175周年を記念したキャンパス・ホスピタル再編事業の一環として行われました。「100年建築」「これからのモデルとなる未来型病院」「エコロジー建築の先進的な取り組み」をコンセプトに、順天堂とシミズの英知を結集して、世界に発信する未来型病院を実現しました。

最先端の構造技術で安全な超高層病院を実現
新棟は、建物全体の横揺れを小さくする免震構造に加え、高層階の揺れを小さくする複数の技術を組み合わせることで、地震時も病院機能を継続できる安全性を確保した超高層病院です。柱間の大きい大スパン構造の低層部には、診療部門を機能的にレイアウト。その上の高層部には病棟を設け、素晴らしい眺望の病室を実現しました。

超高層病院に最適な構造技術の組み合わせ
超高層病院にふさわしい火災避難システム
ワンランク上の安全性として、高層病院における火災時の避難安全も確保しています。廊下の空気圧を制御することで、患者さんたちへの煙被害を防ぐ新技術「シミズハイブリッド防排煙システム」を開発・採用しました。

火災避難システムのイメージ
感染制御の先進モデル
感染制御は病院の重要な課題です。新棟では、感染制御の権威として著名な順天堂大学の堀教授のご指導のもと、感染症に対応する先進的な施設仕様を確立しました。
空気中の臭いや汚染物質の拡散を最小限に抑える空調・換気システムや、飛沫感染防止に配慮したベッド間の間仕切り家具などを組み合わせることで気流が一方向となり、空気感染リスクを低減する環境をつくり出しています。また、看護師さんが手指衛生を保ちやすくするために、水はねが少ない手洗い器を開発しました。

空気感染リスク低減の工夫

感染に対する安全性を高めた4床室。
ベッド間の間仕切り家具によって、患者さんのプライバシーを確保できる
水はねが少ない手洗い器
(当社開発)
患者さんにやさしい病院
高層階にあるすべての病室からは、素晴らしい景色が眺望できます。また、中間階の屋上庭園は、病院内の患者さんや家族の方たちが心安らげる空間となっています。

患者さんとその家族、スタッフに癒しを提供する屋上庭園
世界トップクラスのエコロジー建築の証
この最先端病院は、周辺環境、地球環境にさまざまな配慮を施しています。南側の小庇や、トイレ洗浄水等の中水に井戸水を利用するなどの建築的な技術だけでなく、日常の合理的な運用、利用者の快適性・利便性など、人と環境を総合的に考えています。その証として、国際的な環境格付LEED※(Healthcare版)のGOLD認証を国内の病院で初めて取得しました。

※ LEED:Leadership in Energy and Environmental Design
米国グリーンビルディング協会が開発・運用を行っている
建物と敷地利用についての環境性能評価システム

記載している情報は、2017年9月1日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。