社長・社外取締役座談会

Governance
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「論語と算盤」を体現する企業文化

岩本:これまでコロナ禍で訪問できなかったのですが、昨年、富山にある清水記念公園を社外取締役、社外監査役で訪問してきました。富山が創業者清水喜助の生誕地ということもあり、創業者の精神や「論語と算盤」について改めて考える良い機会となりました。

社長:実際に現地に足を運ぶと、気持ちが引き締まりますよね。「論語と算盤」は、従業員一人ひとりが厳しい倫理観のもとで営利の追求、事業活動を行うということ、すなわち「道徳と経済の合一」を意味しています。企業が「算盤」である経済性や収益性を追求することはもちろん大事ですが、「論語」であるコンプライアンスの徹底も同時に求められており、企業経営には両方のバランスが非常に大切だということです。

川田:コンプライアンスは一般的に法令順守と捉えられていますが、それ以前に、人としての高い倫理観を持つことが大切だと思います。当社は「論語と算盤」に基づいた人財教育を行っていますが、それは非常に重要なことです。「何かおかしい」と感じる気づきはコンプライアンスの基本であり、結果として様々なリスクの低減につながっていきます。

社長:社内だけでなく、協力会社の方々も含め、気が付いたらすぐに相談できる風通しの良い組織・環境が重要だということですね。

定塚:残念ながら、どんなに気を付けていても、事件に巻き込まれるリスクはあります。外部から不用意な働きかけがあった場合には、社内のルールにのっとり明確に対応することはもちろんですが、早期に事件の芽を摘むための仕組み・環境づくりも大切です。

社長:そういった仕組みづくりは重要だと思います。当社が今まで重んじてきた価値や基本的な考え方を継続していけば、そういったリスクも低減できるのではないかと考えています。

田村:役員・従業員だけでなく、協力会社の皆様に対する研修や、トップ自らの継続的なメッセージを通じて会社全体で意識を高め、「論語と算盤」を体現する企業文化をこれからも引き継いでいってほしいと思います。

田村 真由美

最後に

社長:企業の持続可能性の追求という意味で、今年度、サステナビリティ委員会を立ち上げました。私が委員長を務める本委員会では、当社グループのESGに関する方針と重点施策を審議・決定していきます。取締役会においても、さらに議論を深めてまいります。
また、今年度は、2019年に策定した中期経営計画(5カ年)の最終年度であり、次期中期経営計画を詰める年度でもあります。2030年に向けて当社が進むべき方向や価値創造について、現在、執行サイドで議論をしていますが、今回皆様からお話しいただいた内容も念頭において進めていきます。これまで以上に多様な視点でのご提言・ご指導をいただきたいと考えています。本日はありがとうございました。