社長・社外取締役座談会

 

人財イノベーションの必要性

社長:当社では、将来の経営幹部候補をトップマネジメント、ミドルマネジメント、ヤングマネジメントに分け、経営感覚を身に付けてもらう人財開発を始めました。

岩本:私が以前勤めていた会社でも幹部候補の選抜・育成を行っていましたが、対象とする人財は固定してしまうのではなく、入れ替えることも求められると思います。

川田:私も同意見です。様々なタイプの人がおり、能力を発揮するタイミングも人それぞれに違います。

社長:そのとおりですね。人それぞれのタイミングもそうですが、困難な課題を乗り越える経験によって能力が開花したり、リーダーシップが培われたりすると思いますので、多くの社員に様々な経験をしてもらいたい、チャンスを与えたいと考えています。

定塚:トップマネジメント層の教育は不可欠ですが、それだけでなく、マネージャー層や若い人の人財育成も今後ますます重要となってきます。また中高年のリスキリングなど、対象者別に能力開発や意識改革を体系的に実施している会社も、昨今は多く見受けられます。まさに経営戦略としての人財戦略が求められているということだと思います。そういうこともあり、当社にも人財育成と人財戦略を統括する組織が必要だと考えていました。

社長:当社は、技術や事業のイノベーションを起こしていく人財の育成を最重要課題の一つに挙げていますし、社外取締役の皆様にもそのようなご提言をいただいておりましたので、今年4月、新たに人財戦略部を設けました。経営戦略と人財戦略の連動に関する施策や、企業変革を主導する人財の育成・教育などに関する活動を展開する部署です。

田村:そのように会社として組織や制度を整備することも必要ですが、個々の従業員が自らキャリア形成についてプランを描き、スキルアップに取り組む、いわゆるキャリア自律も重要だと考えます。

社長:そうですね。会社は確かに様々な機会を与えてくれますが、会社がキャリアを形成してくれるという受け身の考えではいけません。当社は創業以来200年以上、様々な挑戦を通じて発展してきたわけですが、次の50年、100年を見据え、技術革新および持続的な発展を担うひとづくりの場として、研究施設や研修施設などからなるイノベーション施設を東京都江東区潮見に建設中です。この施設を、従業員にはぜひとも有効に活用してもらい、シミズのDNAを守り育み、新たな知を生み出す「温故創新の拠点」にしたいと考えています。

岩本:人財に投資する企業は、業績が良いという調査結果も出ていますので、今後も積極的に行っていただきたいです。当社の従業員のさらなる飛躍に期待しています。

岩本 保