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対談「多様な人財のさらなる活躍推進のために」

人財の確保と育成について

宮本:御社では、ダイバーシティを浸透させるために、どのように取り組まれてきたのですか。

対談

松井:数年前、キャリアを積んだ女性が、出産を機に突然退職するケースがかなり増えました。そこで、こうした現象を防ぐために、会社専用の託児所を設けました。自宅の周辺に公的な保育園がないという従業員が多かったので、すごく助けになり、これを機に退職する人が減少しました。
また、優秀な女性にできるだけ長く働いてもらうため、管理職候補生を対象に、幹部クラスの男性と女性の指導員をペアで付けるスポンサーシッププログラムを設けています。スポンサーは、なるべく他部署の人で、第三者の立場からアドバイスします。また、対象者の評価の要約を見て、総合的に何を改善すべきか、また、能力に応じた仕事をしているか、他の国に転勤させたらもっと大きなビジネスチャンスになるのではないかといった話を、対象者の上司にアドバイスします。そうすれば管理職に成長する確率は上がります。本人にとっても、上司以外の幹部が面倒を見てくれることで会社からの愛情を感じます。

もし、子どもができたり、介護の負担が生じたり、夫が転勤したりして、会社を取るか、家族を取るかという局面になると、会社からの愛情がなければ、従業員は家族を選びます。会社に惹きつける策が必要なのです。わが社でもいろいろ取り組みを試して、少しずつ女性の管理職を育成しています。

宮本:そのスポンサーシップ制度は女性だけを対象にされているのですか。

松井:女性だけではありません。実は、アジア太平洋地域におけるアジア人のリーダーが少ないのです。現地化を目指す上で、アジアの人たちを育成するためには、やはり手助けが必要です。従って、女性とアジア人を対象にしています。

宮本:対象者にとっては、他部署の上職者と話すことで、他部署でのキャリアも見えますね。

松井:特に女性は、男性ほど横のつながりがありません。そのネットワークづくりにもすごく役立っています。
また、会社全体の中での自分の仕事の位置づけ、重要さが分からないケースがありますよね。でも、他部署の上職者が「あなたの仕事のおかげで、私のビジネスがこんなに成功しましたよ」と声を掛けるだけで、自分の存在意義を理解することができるのです。

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