上司座談会「“女子力”で現場に新風を」

仕事に男女で差を付けない

西岡:女性が現場で働きやすいように、何か心掛けていることはありますか?

小林:設備面で言うと、女性が配属されると聞いてすぐ、事務所に女性用の更衣室を設置しました。ただ、女性の配員が増えるにつれてスペースが足りなくなり、途中から近所のマンションの一室を借りて、女性が着替えたり、仮眠を取ったりできる場所を用意しました。

座談会

塚田:建設所の場合、設備は整っているので、私は、誰を教育係にするかということに重きを置きました。面倒見が良くて、男性と女性の体力や微妙なメンタルの違いを理解できる男性社員の下に女性を配員しよう、と。

澁谷:私の下にいる技術系の女性は工務担当で、最初は私との間に、他の係員がいませんでした。私とは年齢差があり、何かとやりづらいこともあると思ったので、とにかくよく話を聞いて、何か問題があったらできる限りフォローするよう心掛けました。

岡野:私が意識しているのは、仕事に対しては、男性・女性の区別をしないということですね。一人の技術者として、男性と同じように仕事を任せています。

澁谷:確かに、仕事で男女差をつけると、女性のモチベーションが下がってしまいます。

小林:私も、女性の部下たちが、「女性だから…」という目で見てほしくないと思っていることをひしひしと感じました。

西岡:体力面ではもちろん男女差はありますが、仕事面では、意識的に男性と差をつけない、というのも一つの配慮ですね。
では、現場に女性が配属されたことで、何か変わったなと思うことはありますか?

東京支店 小林和彦
東京支店 小林和彦

小林:私の現場では、朝礼看板の掲示物などがカラフルになりました。また、竣工近くなって、作業用に利用していた本設エレベーターに、女性担当者が「きれいに使ってください♡」という貼り紙をしたんです。そうしたら職人さんが、最後まで本当にきれいな状態を保ち続けてくれた。これには驚きましたね。
現場をきれいにすることは、品質や安全のベースですから、ものづくりそのものにも良い影響を与えてくれると思います。

塚田:これは私の考えですが、仮囲いの中というのは、一般の方にはよく分からない世界だと思うのです。でも、そういう場所に、作業着姿の女性が出入りしているのを見たら、「女性でも仕事ができるところなのか」と、何となく安心感を持ってもらえるのではないかと思います。

岡野:実際、うちの現場の女性は、近隣の人たちによく話しかけられ、今ではすっかり仲良くなっています。

澁谷:やはり、相手が女性だと近隣の皆さんも話し掛けやすいんでしょうね。私なんてこのコワモテのせいか、声を掛けられたことがありません(笑)

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