道路橋プレキャストPC床版の接合構造を合理化する継手工法
「アローヘッドジョイント」

継手工法「アローヘッドジョイント」は、道路橋に使用されるプレキャストPC(プレストレストコンクリート)床版の接合技術です。この工法では、端部に矢尻状の定着体を設けた機械式定着鉄筋「アローヘッド鉄筋」を用いて床版接合部の耐久性向上と配筋作業の合理化を図ります。

プレキャストPC床版接合部
プレキャストPC床版接合部

背景

床版取替工事ではこれまで、プレキャストPC床版の継手工法として疲労耐久性の高いループ継手が主に利用されてきました。

しかし、ループ継手を適用した場合、最小床版厚がループ状鉄筋の曲げ内半径によって規定されるため、コスト低減を目的とした床版部材の薄肉化が制限されてしまいます。また、ループ継手の内部に配置する補強筋を橋梁外部から挿入する必要があり、施工性の面でも課題がありました。

概要

アローヘッドジョイントは、道路橋に求められる疲労耐久性を確保しつつ生産性向上にも寄与する床版継手工法として開発したものです。この技術は、当社が保有する「Tヘッド工法鉄筋」の加工技術を応用して開発したアローヘッド鉄筋を適用します。アローヘッド鉄筋は、鉄筋母材の端部を熱間加圧成形法で加工して、母材と一体成形します。定着体がT形であるTヘッド工法鉄筋と比べ、アローヘッド鉄筋は定着体が矢尻状のコンパクトな形となっていているため、より床版の薄肉化を図ることができ、配筋設計と施工の合理化・簡素化に寄与することができます。

アローヘッド鉄筋の定着原理
アローヘッド鉄筋の定着原理

メリット

この工法により、橋軸直角方向の配筋作業が容易になり、ループ筋を用いる従来工法と比べて約50%の生産性向上効果が見込めます。また、床版接合部の間詰めコンクリートとして設計基準強度50N/mm2の一般的な配合のコンクリートを使用するため、充填性に課題のある高強度コンクリートを使用する同種工法と比べて施工性に優れています。

接合部断面
接合部断面

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