コンクリート構造物の万能薬「タフネスコート®」
構造物が必要とする4つの機能(剥落防止・保水性・耐久性・衝撃性能)を保持・向上
「タフネスコート※」は、コンクリート構造物の表面にポリウレア樹脂を吹き付けるだけで、構造物が必要とする4つの機能(剥落防止・保水性・耐久性・衝撃性能)を保持・向上させる技術です。施工法も簡便であり、新設・既設を問わず適用可能です。
本技術は、これまで主流であった事後保全や部材の補強という発想を転換し、予防保全と直接的な機能保持という観点から、コンクリート構造物の合理的な維持管理と長寿命化を実現します。
当社と三井化学産資(株)の共同開発。平成29年度土木学会技術開発賞受賞
「タフネスコート」の概要
技術の概要
タフネスコートは、コンクリート構造物の表面に髙ひずみ樹脂(ポリウレア樹脂)を吹き付けることにより、構造物に必要とされる以下の4つの機能を保持・向上させます。
落ちない(剥落防止)
- 対象構造物を膜厚1.5mmで被覆した場合、1.5kN(150kg)までのコンクリート片の剥落を防止
- トンネル覆工実験では、圧縮破壊しても大変形時まで最大荷重を保持
漏水しない(保水性向上)
- 水槽内を膜厚2.0mmで被覆した場合、最大ひび割れ幅10mm、最大水圧0.3MPaまで保水性を確保(大規模地震時における貯水槽のひび割れ幅は2.0mm〜3.0mm程度)
劣化しない(塩害・凍害に対する耐久性向上)
- 塩害に対して、膜厚1.0mmの場合、塩分透過量は基準値※の1/50および1/500
- 膜厚1.0mmで、鉄筋の発錆限界までの到達時間を約10倍に延長
- 凍害に対して、膜厚2.0mmの場合、外部からの水分侵入を阻止でき、凍害(凍結融解サイクル300回)に対する性能低下はほぼ0%
(1)一般環境のPCまたはRC構造物は1.0×10-2mg/cm2・日以下、(2)特に厳しい環境、塗替困難な部位は1.0×10-3mg/cm2・日以下(日本道路協会)
倒れない(衝撃性能向上)
- 壁高欄※破壊時のコンクリート片剥落を防止(構造体の前面よりも裏面への施工が有効)
- 構造体に復元力が発生。構造崩壊に対する安全性が1.5倍に向上
橋の両端に設けられるコンクリート製の柵(欄干)の一種
■構造崩壊(破壊接地)までの衝突実験結果
タフネスコートなしの場合、レベル2で破壊接地。タフネスコートありの場合、レベル3で破壊接地。
衝突繰り返し回数(重錘落下高さ/落下回数) | ||||
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レベル0 300mm/1回 |
→レベル1 50mm/5回 |
→レベル2 100mm/5回 |
→レベル3 150mm/3回 |
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タフネスコートなし | ○ | ○ | 破壊接地 | — |
タフネスコートあり | ○ | ○ | ○ | 破壊接地 |
施工は簡便。新設・既設を問わず適用可能
本技術は、専用装置を用いた吹付工法により、広範囲を短時間で施工することができます。吹き付けられたポリウレア樹脂は、瞬時に硬化するため液ダレしません。また、強度の発現も早く(最短2日程度)、新設・既設を問わず適用可能であるなど、他の補修・補強工法にはない利点を備えています。