当社協賛 第四回 「楽しい!からはじめよう 『みんなのスポーツ』 障がい者スポーツ体験会 in 広島」

5月23日、6歳から70歳代まで約120名の参加のもと、NPO法人STAND(以下STAND)主催、当社協賛による今年度最初の体験会を、広島都市学園大学宇品キャンパス体育館(広島県広島市)で開催しました。

できることを数える

今回の体験会は、ロンドンパラリンピック・ゴールボールの金メダリスト浦田理恵選手をゲストに迎え、「夢への挑戦」と題した講演を行いました。

浦田選手は、小学校の教師を目指していた20歳の時に網膜色素変性症により左目の視力を失い、右目もわずかな視野で明暗を感じる状態になりました。自暴自棄になりそうだった浦田選手は、両親に病状を告白し、温かく受け入れてもらえたことで前を向くことができました。自立生活力を養おうと、国立福岡視力障害センターに入所した時に、視覚障がい者のためのスポーツ「ゴールボール」に出会い、「自分はまだ手足が自由に動くし、人と話すこともできる。自分はたった一つの機能を失っただけ」と気持ちを切り替えることができたと言います。

また浦田選手は、試合で経験する緊張を克服する二つの秘訣を披露してくれました。一つは、毎日やると決めたことは必ず行うということです。小さなことでも続けることが、自分に大きな自信をもたらしてくれるそうです。もう一つは、心身の緊張を解き、自分の力を発揮させてくれる「おまじない」を持つことです。「ピンチピンチ・チャンスチャンス・ランランラン♪」と口ずさむことで、気持ちを切り替えることができた体験を話しました。

「失った機能は一部だけ。できることはまだたくさんあると気づいた」と話す浦田選手

名前を呼んでボールを転がす

講演会に続き、シーズアスリート事務局・竹内由美氏によるゴールボールについての解説を経て、参加者3人が1チームとなって体験会が行われました。

参加者は正式な試合で使用するのと同じ、ゴーグル型アイシェードを着け、視覚を完全に遮った状態で、1分間のミニゲームを体験しました。鈴の入ったボールを転がす→キャッチする→味方にボールを渡す→相手ゴールに投げ返すという動作を繰返し、ゴールに入った得点で勝敗を競います。転がってきたボールをキャッチした人は、味方にボールを渡す際に相手の名前を呼び、位置を確認した上でボールを優しく転がして、相手が受け取りやすいように工夫をしていました。

キャッチしたボールは、味方の名前を呼んで声のする方向に向かって転がす 設営技術も向上

設営技術も向上

当日は、当社広島営業所の社員7名と、来年1月に開催予定の大阪支店(関西事業本部)の社員3名、本社から6名がボランティアとして参加し、コートの設営や受付等を担当しました。コートの設営方法は、体験会を重ねるたびに社員から改善案が出され、少しずつ向上してきましたが、今回は「国際大会のコートと同水準」と浦田選手に褒めていただくレベルになりました。

体験会は、好評のうちに終了し、「またやってほしい」という声を参加者からいただきました。また今回初めて外国の参加者をお迎えする等、「『楽しい!』から始めよう。」の輪が国境を越えて広がっていく楽しさを感じた体験会となりました。

コートの設営をする当社ボランティア
参加者みんなで記念撮影
フラッグの寄せ書きで夢宣言する子どもたち

※前回の体験会の様子は「障がい者スポーツ体験会 in 金沢」「障がい者スポーツ体験会in東京」「障がい者スポーツ体験会 in 仙台」をご覧ください