重機接触災害リスク低減システムが技術認証「Safety2.0」を取得

~トンネル掘削土砂搬出作業の生産性と安全性を両立~

  • 土木

2020.03.05

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、熊本県で施工中の熊本57号滝室坂トンネル西新設(一期)工事で展開している「重機接触災害リスク低減システム」について、一般社団法人セーフティグローバル推進機構(IGSAP:The Institute of Global Safety Promotion)が発行する技術認証「Safety2.0 適合基準レベルⅠ」を取得しました。

Safety2.0は、人と機械が共存する作業環境において、ICT技術などにより人・機械(重機)・環境に関する情報を共有することで、安全を確保する技術的方策に与えられる認証です。適合基準レベルⅠは、ヒト・モノ・環境等の各構成要素をICTでつないでいる、リスク関連情報をモニタリングし発信している、リスク管理情報を受けたら自律的、或いは他律的な制御によりリスクを低減している、というカテゴリーを意味します。

当社は現在、ロボット技術や建設機械・重機の自動運転技術、人(作業員)・モノ(建機・重機)・作業環境に関する情報を共有するICT技術の融合により、トンネル施工の生産性と安全性を飛躍的に向上させる「シミズ・スマート・トンネル」の構築を進めています。その実現には人と機械の協調安全が必要不可欠なことから、主要構成要素について「Safety2.0」の適合審査を受審することとし、その第一弾が重機接触災害リスク低減システムとなりました。

重機接触災害リスク低減システムは、人と機械が接触する可能性が生じるとリスク情報として認識し、警告照明機器から高照度発報することでリスク情報を発信するシステムです。当該区域にいる作業員はリスク情報を共有すると、高照度発報の間、作業を中止しリスクを回避します。対象となる作業は、切羽付近で行う掘削した土砂の搬出(以下ずり出し)作業で、作業者と重機の位置情報管理、警告照明機器制御、重機周囲監視を行う各システムを連携させることにより、リスク低減を図ります。

当社は今後、シミズ・スマート・トンネルの構築に関連する技術開発にSafety2.0の概念を採り入れ、「人と機械の協調作業を支援する協調安全」を実現していく考えです。

以上

≪参 考≫

経過

  • 2019年10月7日

    IGSAPに対して重機接触災害リスク低減システムの「Safety2.0」適合審査を申請。以後、システムの運用マニュアルに基づき滝室坂トンネル西工事の社員・作業員にマニュアル教育を実施。

  • 2020年1月27日、28日

    日本認証(株)による適合審査を受審。

  • 2020年3月2日

    認証取得

一般社団法人セーフティグローバル推進機構

名  称
  • 一般社団法人 セーフティグローバル推進機構
  • 英文名称:The Institute of Global Safety Promotion

  • 略称:IGSAP

設  立 2016年7月21日
会  長 向殿政男 明治大学名誉教授
所 在 地
  • [本部]
  • 大阪市淀川区西宮原2丁目7番53号 Marutaビル 8階

    TEL: 06-6399-1211

  • [東京事務所]
  • 東京都港区浜松町1-27-17 三和ビル4階 407号

    TEL: 03-6869-2313

活動内容
  • 産業安全化推進及び支援活動
  • 安全及び生産性向上に関する研究及び普及活動
  • 安全に関する研究会、情報交換会等の活動及び国際交流活動
  • 安全認証に関する制度の開発、実施、運営及び普及活動
  • 安全に関する規格作成及び標準化活動
  • 安全認証に関する規格作成及び標準化活動
  • 安全に関する講習等の教育活動
  • 安全に関する表彰活動、など

滝室坂トンネル西工事の概要

工事名称 熊本57号滝室坂トンネル西新設(一期)工事
発注者 国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所
所在地 熊本県阿蘇市一の宮町北坂梨〜阿蘇市一の宮町坂梨
施工者 清水・東急・森特定建設工事共同企業体
概 要

本工事は、全長約4.8kmの滝室坂トンネルを東西から掘削するもので、当JVは西側工区の施工となる。施工は本坑、避難坑ともに約4%の上り勾配で、本坑と避難坑とはトンネルセンターで約30mの離隔で並行している。

  • [本 坑]

    掘削1,200m、インバート1,200m、覆工997.7m、坑門工1ヶ所

  • [避難坑]

    掘削3,069m、インバート210m、坑門工1ヶ所

  • [避難連絡坑]

    人道部3ヶ所、車道部1ヶ所

工 期 2018年04月02日~2021年03月31日
重機接触災害リスク低減システムの概念図
重機接触災害リスク低減システムの概念図

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