大本山永平寺 親禅の宿 柏樹關

  • 建築
  • 商業・ホテル
  • 福井県
  • 2019年

設計担当者から

青木 裕一

建物内に居ながら自然を感じ取れることが「禅の空間」であると考え、川のせせらぎが聞こえる客室、禅の庭を眺められる「開也(かいや)の間」といった各所で、自然との一体化を目指しました。構造材や造作材、家具には、お客様からの支給材である永平寺杉などの木材を使用。それぞれの特性を生かし、適材を適所に配しました。照明計画では、陰の中にこそ美しさがあるとする「陰翳礼讃」の思想の下、何度もシミュレーションを重ね、宿泊施設として最低限必要な明るさを確保しつつ、暗さを生かした空間を実現しました。おもてなしの空間である旅館と、禅に親しむ簡素なつくりの宿坊との両立を目指しながら進めました。

施工担当者から

高野 新吾

曹洞宗大本山永平寺の門前に親禅の宿「柏樹關(はくじゅかん)」が完成しました。コンセプトは「旅館と宿坊の中間に位置する宿泊施設」。建物は木造の玄関棟とRC造の宿泊棟で構成され、精進料理や坐禅体験などを通して禅の心に触れることができます。 躯体は上流側から順に下流側へと工事を進めました。この際、揚重が必要な仕上資材については、先行搬入・仮置きすることで、仕上工事を円滑に行うことができました。「平常心是道」を掲げ、当たり前のことに平常心で丁寧に向き合った工事。伝統木造建築と在来RC建築という手作り感ある建物を、みんなで打ち合わせを重ね、汗をかきながらつくったことで、ものづくりの基本を振り返ることができました。

発注者大本山永平寺
設計・監理清水建設株式会社
工期2018年3月〜2019年5月
構造・規模木造、RC造 3F
延床面積1,976㎡
所在地福井県永平寺町

> Shimz Design Works:「大本山永平寺 「親禅の宿」 柏樹關」

参道から永平寺川越しに柏樹關を望む
手前が木造の玄関棟、奥がRC造の宿泊棟
「禅の庭」に面した「開也(かいや)の間」では坐禅体験などが行われる
永平寺杉、ヒノキ、イチョウをインテリアに使用したレストラン
陰翳礼讃(いんえいらいさん)の思想を採り入れた客室
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