インフラを輸出

匠の技術を惜しみなく

インフラを輸出

インフラを輸出匠の技術を惜しみなく

快適で安心・安全な暮らしを営む上で、なくてはならない社会インフラ。しかし、世界に目を向けると、大都市であってもその整備が遅れている国が少なくありません。
今、ASEAN最大の人口を誇るインドネシア共和国の中心都市ジャカルタで、シミズJV(共同企業体)によるインフラ構築のビッグプロジェクトが進められています。

40年以上前からインドネシアに進出

当社は、40年以上前からインドネシアで建設事業を展開しています。最初の案件は、インドネシアに進出した日系企業の現地社宅でした。以来、オフィスビルや外資系ホテルなど都市を支えるインフラから、工場、港湾施設、地下発電所、LNG施設、砂防ダム、空港など、経済全体を支えるインフラまで、幅広く着実に実績を積み重ねています。
近年も大規模プロジェクトに取り組んでおり、グローバル事業の重要拠点の一つとして、積極的に事業を展開しています。

世界一と言われているジャカルタの慢性的な交通渋滞

都市高速鉄道システムで渋滞を解消

今、注目されているビッグプロジェクトの一つが、ジャカルタMRT(都市高速鉄道システム)南北線工事です。世界一と言われているジャカルタ市内の慢性的な交通渋滞解消の切り札として、日本政府が本邦技術活用案件「STEP」を適用した円借款による事業です。
当社は、JVスポンサーとして地下工区の設計施工を担当。この現場は、同国のジョコ・ウィドド大統領が何度も視察に訪れるほど、大きな期待が寄せられています。

完成予想パース
完成予想パース
完成予想パース
完成予想パース

インドネシア初の地下鉄、初のシールド工法

その理由は、インドネシア初の地下鉄であり、その施工にシールド工法を採用しているからです。地下鉄工事は、4つの地下駅舎と4駅を結ぶ延長2.6kmのトンネルを上下線2本、シールド工法で掘り進めるもので、2015年10月にスタートしました。日本では、シールド工法はトンネル掘削の基幹技術として一般的ですが、インドネシアで実施されるのは初めてのことです。

貫通したシールドトンネル
貫通したシールドトンネル

熱血指導で匠の技を伝承

当社は、シールドマシンの組み立てから操縦方法、操作時の注意事項やメンテナンスまで含めて、シールド工法未経験の現地技術者や、作業員を指導しながら施工を進めました。着工当初は、ポイントとなる各所に日本人の熟練技術者をスーパーバイザーとして配置。昼夜つきっきりで指導しました。
やがて、少しずつ現地技術者の習熟度も上がり、後半の1年は現地技術者中心で工事が進むほどに。同時に施工スピードも上がり、予定を前倒しして、2017年2月には無事にトンネルを貫通させることができました。

ANTAREJA2号
「ANTAREJA2号」と命名されたシールドマシン
竜神の血を引き、地中を自在に泳ぐように移動できるインドネシアの伝説のヒーローの名前に由来する

クオリティの高い施工技術を伝承

2月23日にステアブディ駅内で行われた貫通式で、ジョコ大統領は「わが国初のシールドトンネルが貫通し、その場を見学できて非常に光栄だ。1期工事は2019年3月に営業を開始する。今後、工期通りに工事が進むことを希望する」と挨拶されました。
工事はこれからも続きますが、今回、私たちが伝承したシールド工法の技術や日本流クオリティの施工管理ノウハウが、インドネシア建設業の技術力向上に貢献し、さらに、同国各地で行われるさまざまなインフラ工事で発揮されることを願っています。

シールドマシンの前で会見を行うジョコ大統領

Column

アストラタワーでは工期短縮にチャレンジ

ジャカルタ市内では、シミズが手掛けるもう一つのビッグプロジェクトが進行しています。
完成すれば同国でもトップクラスの高さとなる261.5mの超高層ビル、アストラタワープロジェクトです。
インドネシア最大の複合企業であるアストラ・インターナショナルの本社として建設されているこのビルで、当社は大幅な工期短縮にチャレンジしています。
インドネシアでは、技術者・作業員の不足や、貧弱な物流による資機材搬入の遅れが常態化しており、工期が遅れるのは当たり前。ここに、シミズならではのプロジェクト管理技術を導入し、インドネシアでの常識を覆そうとしています。
基礎工事では掘削土砂の搬出方法の合理化、基準階の躯体工事では型枠や鉄筋のユニット化、階段や間仕切り壁現場のプレキャスト化などを行い、上棟までに6ヶ月の工期短縮に成功しました。これは、“工期は遅れるもの”というジャカルタの常識からすると驚くべきことです。工期は2018年3月までですが、前倒しして2017年9月の竣工を目指しています。
“工期を短縮できる建設会社”という評価は、シミズのインドネシアビジネスに新たな付加価値をもたらそうとしています。

工期短縮で進むアストラタワーの建設現場
工期短縮で進むアストラタワーの建設現場

記載している情報は、2017年9月1日現在のものです。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

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