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東京ベイエリアを望む
ツインタワー1棟目を建設中
(仮称)芝浦一丁目計画 第Ⅰ期(S棟)新築工事
建設中のS棟外観
浜松町エリアで進行中の大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」では、高さ約230mのツインタワーを建設予定です。当社はその1棟目となるS棟の施工を手掛けています。
陸海空の結節点となる芝浦で
芝浦運河や日の出ふ頭と近接するとともに、ベイエリアと東京都心部の結節点となる交通の要所。そこで進められているのが、浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の建替事業として始まった「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」です。本プロジェクトでは、この立地を活用し、水辺ならではのライフスタイルやにぎわいを創出すべく、高さ約230m、延床面積約55万m2のツインタワーの建設を計画しています。S棟は地下3階、地上43階で、N棟は地下3階、地上45階。両タワーは低層部に商業施設、中層部にオフィスを有し、S棟高層部はホテル、N棟高層部は住宅で構成されます。
工事の流れは、まず既存ビル低層棟を解体、その後S棟を建設、引き渡したのち、既存ビル高層棟の解体に着手。最後にN棟を建設し、2030年度にプロジェクト全体の竣工を迎える予定です。そのうち、当社は21年から既存ビル低層棟の解体およびS棟の建設に携わっています。併せて、敷地外周の基盤整備工事は当社の土木部門が参画しています。
また、建設中のS棟には当社開発の制振技術「BILMUS」を初適用しました。35階から上のホテル階と下層部とを独立した構造にして積層ゴムとオイルダンパーで連結。地震時に上下層の揺れが打ち消しあうことでビル自体が制振装置となる仕組みとなっています。
意匠のこだわりを実現

本タワーは上層階に行くにつれ3段階セットバックしているため、景観や開放感を保ち、空が一層広く見える仕様です。さらに、建物でひときわ目を引くのは高透過Low-eガラスでできたアルミカーテンウォール。空を明瞭に映し出し、外壁と情景とが一体化しているかのように見えます。カーテンウォールの施工では、ファスナーと呼ばれる取付金物を打ち込んだ外周スラブを現場製作してPCa化。高所外周端部での躯体工事が不要となり、作業効率や安全面において多くのメリットをもたらしました。
本建物ではできるだけ柱を減らして眺望を確保するため、外周柱が18mスパンとなっていることも特徴です。本工事を担当する芝浦一丁目計画建設所長の八木聡は「苦心したのは鉄骨精度の確保。梁が自重やコンクリートの荷重によって15mm程度たわむことを計算により想定し、レベルを管理しました。しかしすべて計画通りにいくとは限らず、都度調整しながら工事を進めました」と振り返ります。

八木が所員に必ず伝えている言葉は「作品をつくるという気持ちを持とう」です。さらに「お客様や設計事務所には意匠的に実現させたい重要な箇所があります。施工者としてのポイントを押さえながら、一つの作品をつくる気持ちであらゆる観点から細心の注意を払って施工計画を立案しています」と続けます。
資材用の床を施工し効率化
本工事では、地下部の掘削完了後、地上1階の床を先に構築し、そこから地下と地上の躯体工事を並行して進める二段打ち工法を採用しました。仮設計画における工夫について、八木は次のように語ります。
「今回新たな試みとして、地下1、2階でも床を一部先行して施工しました。台車の横移動が可能となり、従来と比べて資材運搬の時間が短縮。作業性が格段に向上し、作業員からも絶賛されました。工程管理もより確実になり、非常に画期的でした」。
この資材用の床は、アイデアマンの担当工事長の提案を採用したものです。八木は「和と知恵」を大事にすることをモットーに、所員とコミュニケーションを取り、各自の知恵や発案を尊重するよう心掛けています。当現場での利点に加え、後進の知見蓄積や成長につなげたいと未来を見据えます。


既存ビル解体からプロジェクト完了まで、その歩みは約11年。「お客様はこの一大プロジェクトに社運を賭けています。私は年齢的にもこの現場を集大成として、彼らの覚悟に全力で応えられるよう取り組んでいきます」と八木は強い使命感を抱きます。本プロジェクトを成功に導くべく、ツインタワー1棟目、S棟の無事完成を目指します。

工事概要
- 建設地
- 港区芝浦1-1-1
- 発注者
- 野村不動産株式会社、東日本旅客鉄道株式会社
- 設計・監理
- 株式会社槇総合計画事務所、清水建設株式会社、
オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、株式会社日建設計 - 工期
- 2021.10~2025.2
- 構造・規模
SRC造、S造 B3-43F-PH1
建築面積 11,836m2
延床面積 268,167m2
記載している情報は、2024年10月11日現在のものです。
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