未来へつなぐプロジェクト

ゼネコンの総合力が「持続可能なコミュニティ」を実現する

持続可能な社会の実現を目指して、世界中で
スマートグリッドを構築、実証する取り組みが行われている。

スマートグリッドとは、高度な情報ネットワーク機能を備えた送電網のことで、
次世代電力網と呼ばれる。
IT技術で、エネルギーの需要予測や実際の需要量を情報化し、
それに基づいて、商用電力からの電力供給や、
太陽光、風力などの自然エネルギーからの発電、
照明や空調の機能などを総合的に賢く制御して、安定したエネルギー需給を実現する。
このことはまた、非常時のエネルギーの自立性確保にもつながる。

こうした理想的なエネルギー運用は、単に先端技術を導入するだけでは実現しない。
エネルギーを使う「施設」や「コミュニティ」、そこで活動する「人」を中心に考えた、
空間や設備の設計・施工、竣工後の施設の維持管理が非常に重要になる。

その試みを、清水建設はゼネコンの総合力を生かし、
中部大学とともに、大学キャンパスで行う実証実験をスタートさせた。


専門家同士の連携が、未来を拓く。

愛知県にある中部大学春日井キャンパスにおいて、学部ごとにスマートグリッド化し、それをキャンパス全体に広げていこうというのが、今回の「スマートエコキャンパス」構想だ。

その第1弾となったのが、生命健康科学部の施設群(五つの建物)のスマートグリッド化。太陽光発電や蓄電池、排熱をエネルギーとして利用するコージェネレーションに加え、施設群のエネルギー需給を最適制御する当社開発の「スマートBEMS(building energy management system)」などで構成される、大規模なシステムの構築と運用がミッションである。目標はピーク電力25%カット、電力使用量15%削減だ。

「スマートグリッドとは何なのか。何をどうすればよいのか。まずその理解から始まりました。そこで、社内の有識者の指導を仰ぎ、本社や支店の様々な部署からメンバー集めてチームを編成し、会議と勉強を重ねていきました」と、まとめ役の一人でもあった木田健一主査はプロジェクト発足当時を振り返る。

大学関係者や学生などに、最適な活動環境と省エネ制御ソリューションを提供するため、設計や建築施工に加えて、空調や照明などの設備関連や、エネルギーの需要予測技術とそれに基づいた機器のIT制御などについて、社内の多くの専門家が一つになって課題に取り組んでいった。

しかし、専門分野が高度なレベルになるほど、互いの専門領域に配慮しすぎて、取り組みスピードが落ちてしまうことがある。そうした悪循環にならぬよう、各自専門分野での仕事を確実に遂行して、結果を示す。その上で相手の専門性を尊重し、任せるところは任せる。この連携ができることが当社の強さの一つ。信頼と尊敬が、専門家同士の相乗効果を生み出し、プロジェクトへの取り組みは次第に加速していった。


総合力で「人」に向き合う。

このプロジェクトでは、スマートグリッド化に向けた先端技術の開発と導入はもちろん、実際に施設を利用する「人の活動」を中心に考えた、省エネシステムの構築と運用にも挑戦した。

一部の実験設備や研究用の機器類、実験室の空調、照明などは、スマートBEMSによる節電制御を行っていない。実験には大きな電力を要する場合があり、実験の正確性や安定性などを最優先したからだ。また、実験設備や機器類は多数あるため、仮に自動制御しようとすると、コストも膨大になる。そうした中で、施設群のさらなる省エネを推進するため、初の試みとして開発したのが「節電ナビゲーションシステム」だ。

このシステムは、電力使用ピーク時に、施設利用者と協議済みの節電メニューリストに基づき、機器類の最適な節電操作を学内LANによって利用者に通知して、手動制御を促すもの。つまり、省エネ効果を上げるためには、大学関係者や学生などの協力が不可欠といえる。

そのため、導入に向けては、利用者にシステムの目的や手段、予想される効果を適切に理解してもらうことが最重要課題となった。これまでにかなりの節電を実施してきた大学関係者の理解を得るため、幾度にも及ぶヒアリングやアンケート、説明会を実施。そこで得た回答や課題に基づき、運用シーンを想定してシステムを組み上げていった。まさに、「人の活動」を考えたエネルギーマネジメントの新しい方法論を検討してきたのだ。

建設やエネルギー制御というと、単に建物を建てることや、新技術の開発といったことだけを連想しがちだが、当社はそこに必ず「人」がいるということを強く意識している。多岐にわたる利用者の要望に応えるために、どうあれば快適か、使い勝手が良いかなどをイメージし、建築・設備・IT技術などすべてにわたる専門家たちが協働して、新しいソリューションを生み出していくのである。

スマートグリッドに関連する技術は、まだまだ発展を続けている。世界中が注目するこの分野を、当社はゼネコンならではの、「人を中心に環境を創造する」という総合力で、さらにリードしていこうとしている。

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