当社技術研究所の「再生の杜ビオトープ」が国内初となるSITES® for Existing Landscapesのゴールド認証を取得

このたび、当社技術研究所(東京都江東区)の「再生の杜ビオトープ」が、SITES® for Existing Landscapesのゴールド認証を取得しました。
SITES®は、ランドスケープのサステナビリティを総合的に評価する米国の認証制度です。本制度では、新規開発または大規模改修される屋外空間が対象となり、近年、日本国内外の先駆的なプロジェクトが認証を受けています。
その中でも、SITES® for Existing Landscapesは、1年以上の運用実績がある既存敷地を評価対象とする新しい評価基準で、2022年からパイロット版の運用が開始されました。
日本国内では、「再生の杜ビオトープ」がSITES® for Existing Landscapesの認証を取得した初のプロジェクトとなります。

今回の「再生の杜ビオトープ」の認証取得にあたっては、2006年から15年以上にわたり実践されてきた、生態系の回復を基軸とした緑地づくりの継続的な取り組みが高く評価されました。

今後も当社は、シミズグループの環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の達成に向け、「再生の杜ビオトープ」を拠点に「グリーンインフラ+(PLUS)~子どもたちに豊かな自然の恵みを」の理念を実践し、人と生き物が共に生き生きと暮らせるネイチャーポジティブなまちづくりに貢献していきます。

SITESロゴ

SITES®および関連するロゴは Green Business Certification Inc.™ が所有する商標であり、許可を得て使用しています。

取り組み紹介

「再生の杜ビオトープ」の敷地・周辺地域のサステナビリティ貢献にむけた主な取り組みは以下の通りです。

(1)地域生態系との融合を目指した緑地デザイン
「再生の杜ビオトープ」が位置する東京臨海部の土地の履歴を踏まえ、水域生態系を含む水域から陸域への環境移行を促進するエコトーン(遷移帯)を整備し、在来種を中心に多様な動植物の生息・育成の場を創出しています。周辺緑地の生物調査に基づき、指標生物の棲みやすさをシミュレーションし、生態系ネットワークの形成も考慮しました。

陸域と水域が交わるエコトーン
再生の杜ビオトープの全景:陸域と水域が交わるエコトーン
多様な生物の生息・生育の場
多様な生物の生息・生育の場

(2)長期モニタリングに基づく持続的な緑地のマネジメント
「再生の杜ビオトープ」では、竣工後15年以上にわたり、動植物の経年変化を観測しながら、樹林や草地、水域の順応的な管理を実践しています。保全対象種を残す選択的な除草や、撹乱強度の異なる管理、化学薬品の使用低減などの工夫を重ねています。また、長期モニタリングを通じて、絶滅危惧種を含め様々な動植物のハビタットが提供されていることや生態系ネットワークの結節点の役割を果たしていることなど、生態系回復への貢献が実証されています。
そして、緑地を活用した雨水マネジメントを実装し、敷地における水循環の回復や周辺地域のレジリエンス向上に貢献する取り組みも行っています。陸域では、樹木の樹冠による雨水遮断や築山造成により、表流雨水が敷地内に留まりやすい環境を形成しています。また、水域では、隣接建物の雨水排水系統の一部をビオトープ水域に接続させて、屋根雨水の一部を水域に導水して雨庭化を図っています。従来、直接、下水排水されてきた屋根雨水を池の水源として有効利用するとともに、一時貯留による雨水流出抑制、水位変動による水辺生態系の多様化につなげています。

(3)生物多様性の教育および地域コミュニティによる自然体験の機会拡大
「再生の杜ビオトープ」は、セキュリティの高い研究施設でありながら、子どもたちが生物多様性を学ぶ場として積極的に公開・活用を進めています。近年では、NPO・市民団体と連携し、近隣住民を対象とした自然体験ツアーを開催するなど、地域コミュニティによる自然体験の機会拡大にも貢献しています。

乳幼児親子向けの自然体験プログラム
乳幼児親子向けの自然体験プログラム

参考

グリーンインフラ+(PLUS)

再生の杜ビオトープ

審査機関ホームページのリリース文