【イベント報告】「企業人のための生物多様性セミナー」開催

清水建設は、グループ環境ビジョン「Shimz Beyond Zero 2050」で掲げる「自然共生社会」の実現に向け、「グリーンインフラ+(PLUS)」のコンセプトにもとづき、グリーンインフラの整備・活用を推進しています。これにより、生き物がいきいきと共生するネイチャーポジティブな社会を目指し、生物多様性をプラスにすることなどを目指しています。
その一環として、2025年1月20日に「2024年度 第3回 企業人のための生物多様性セミナー」(主催:一般社団法人ヤマネ・いきもの研究所、共催:ワンアソシエイツ、一般社団法人生物多様性アカデミー、助成:公益信託経団連自然保護基金)の開催に協力しました。

本セミナーは、ヤマネ・いきもの研究所が公益信託経団連自然保護基金の助成を受け、経団連自然保護協議会の協力を得ながら、2021年から継続的に展開している企業人向けの生物多様性教育活動です。
今回は当社の技術研究所(東京都江東区)を会場に開催。「建設会社のネイチャーポジティブを目指す取り組みから企業価値向上を学ぶ」をテーマとして、ネイチャーポジティブ実現に向けた展開の考え方や姿勢を学び、また、生物多様性を構成する生物のおもしろさを体感することなどを目的としました。
ネイチャーポジティブの達成や持続可能なビジネスと自然共生サイトに関心のある企業から14名が参加し、都市型ビオトープ「再生の杜」や、レインガーデン(雨水を一時的に貯留し、地下へ浸透させる庭)の実証実験施設などを視察していただきました。また、当社社員が、清水建設のネイチャーポジティブへ向けた取り組みや、再生の杜の概要とそのモニタリングや活用事例など、当社の生物多様性に関する取り組みについて紹介しました。
このほか、ヤマネ・いきもの研究所による再生の杜にある植物の葉を活用した生物多様性の体感学習や、ワンアソシエイツによるネイチャーポジティブの取り組みを通じた企業価値の向上について考えるワークショップなど、知識の習得にとどまらない、生物多様性についての自分事化をめざす有意義なセミナーとなりました。
清水建設では、今後も自社の事業活動のほか、他の団体や企業と連携することで、ネイチャーポジティブの実現に向け活動して参ります。

講義の様子
再生の杜の視察
レインガーデン実証実験施設の視察
植物の葉を活用した生物多様性の体感学習

都市型ビオトープ「再生の杜」

都市型ビオトープ「再生の杜」は、2006年に技術研究所の本館移転工事に合わせて整備された、面積約1,940m2のビオトープ(生きもののすみか)です。整備後は生物のモニタリングを継続的に行っており、都市型ビオトープに生息・生育する生物種の変化など、貴重なデータが集積されてきています。
近年では、地域のNPOや団体などと連携して、子ども向けの自然体験イベントに活用したり、「七夕めぐり」と呼ばれる江東区内のスタンプラリーの一環で、見学イベントを開催したりするなど、地域との連携による環境に配慮した社会貢献活動にも活用されています。
本取組みは、2015年に一般社団法人いきもの共生事業推進協議会が運用するABINC認証や、2020年に東京都が運用する「江戸のみどり登録緑地(優良緑地)」などの緑地認証取得のほか、2023年に第3回グリーンインフラ大賞「優秀賞(生態系保全部門)」と環境省が定める「自然共生サイト(令和5年度前期)」に認定、2024年に第44回緑の都市賞・緑の事業活動部門で「国土交通大臣賞」の受賞など、社会的な評価が高まっています。

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