環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の実現に向けロードマップを策定

~「入口側の循環利用率」を管理指標に導入し、建設事業の資源循環を加速化~

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2025.10.17

清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の実現に向けたロードマップを策定しました。ロードマップには、同ビジョンに基づき各種施策を展開している「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の3分野について、2030年・2040年時点の中間目標を含む2050年までの環境KPIを掲げ、それらの実現に向けた各種施策の展開プロセスを落とし込みました。

当社は2021年6月、持続可能な社会の実現に向けたにグループ環境ビジョンとして「SHIMZ Beyond Zero 2050」を策定しました。同ビジョンでは、当社グループが目指す持続可能な社会を「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」と定め、それらの実現に貢献すべく、2050年までに自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、お客様や社会にプラスの環境価値を積極的に提供していくこと(Beyond Zero)を目指すべき姿として掲げています。

「脱炭素」のロードマップでは、SBT1.5℃水準※1の温室効果ガス排出削減目標を設定し、2050年の実質排出ゼロの達成に向け、Scope1+Scope2(施工時・自社施設運用時)、Scope3(資材製造時・建物運用時など)の2030年・2040年時点の削減目標(2023年度比)をそれぞれ、37%・71%、22%・56%としました。目標達成に向けては、再エネ由来電力の導入や設計施工建物のZEB化について段階的な達成水準を掲げ、脱炭素化を促進します。

「資源循環」のロードマップでは、建設副産物の最終処分率0%を目指す出口側に加えて、「入口側の循環利用率」※2を管理指標に掲げ、2030年、2050年の到達目標を政府の目標を上回る25%以上、50%以上に設定。具体的取り組みとして、再生材率を考慮した建材の調達や、将来のリユース・リサイクルを見据えた設計・施工を推進します。長期的には、天然資源投入量を最大限抑制した建設事例の創出など、少ない資源でより多くの価値を創出する「資源生産性」に着目した事業展開を通じて、持続可能な社会の実現と新たな事業価値の創出を目指します。

「自然共生」のロードマップでは、2050年までに事業活動に起因する生態系への負の影響をゼロにするための第一歩として、まず自社オフィス・保有施設について、運用に伴う生物多様性の損失を食い止め回復軌道に乗せることを2030年までの中期目標に掲げ、「ネイチャーポジティブ(自然再興)」への貢献を目指します。建材調達においては、2030年までにコンクリート型枠の使用材料から外国産非認証材を排し、認証材・国産材への完全移行を実現するなど、持続可能な材料調達を実践します。また、建設活動による自然への負の影響を回避するための環境分析「自然KY」※3について、営業段階での実施率を2030年までに100%とし、分析結果を設計・施工計画等に反映させる取り組みを標準化します。

当社グループは新たなロードマップに沿って、脱炭素社会、資源循環社会、自然共生社会の実現に向けた取り組みを加速していく考えです。

※1:SBT1.5℃水準
科学的根拠に基づいた目標(Science Based Targets:SBT)のうち、世界の平均気温の上昇を産業革命前より1.5℃未満に抑えるというパリ協定の目標と整合した温室効果ガス排出削減目標。

※2:入口側の循環利用率
経済社会に投入されるものの全体量のうち、循環利用量(再使用・再生利用量)が占める割合を示す指標。
「入口側の循環利用率=循環利用量/(天然資源等投入量+循環利用量)」
として定義され、2024年3月に閣議決定された「第五次循環型社会形成推進基本計画」では、2030年度目標を約19%に設定。

※3:自然KY
建設現場周辺の自然環境を地図上で可視化し、自然環境を把握・評価する当社独自の取り組み。

グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」

グループ環境ビジョンSHIMZ Beyond Zero 2050の概要

「SHIMZ Beyond Zero 2050」ロードマップ

<脱炭素>

SHIMZ Beyond Zero 2050脱炭素のロードマップの図

<資源循環>

SHIMZ Beyond Zero 2050資源循環のロードマップの図

<自然共生>

SHIMZ Beyond Zero 2050自然共生のロードマップの図

以上

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