2025.08.26
清水建設(株)<社長 新村達也>は、熊本県内の二次医療圏を一つの単位として、災害時に医療関係機関が連携して医療救護活動に当たる地域医療連携を共同で推進することについて、熊本大学病院、熊本県と合意、本日、3者で包括連携協定を締結しました。
厚生労働省の調査(2023年)によると、全国にある災害拠点病院のうち、約3割にあたる221病院が洪水浸水想定区域に所在することが判明しており、豪雨による医療活動の混乱が懸念されています。熊本県内では実際、令和2(2020)年7月豪雨災害に際しては、人吉・球磨地域で多くの医療機関が被災し、インフラや通信環境、ライフラインが断絶する中、医療活動に大きな混乱が生じました。また、ハザードマップと熊本県内の災害拠点病院の所在地を重ねてみると、複数の地域の災害拠点病院が洪水浸水想定区域に所在することがわかります。
一方、当社は人吉・球磨地域における医療活動の混乱を踏まえ、熊本大学病院、熊本県人吉保健所と協力し、2024年3月に地元医師会や病院等で構成する「人吉球磨地域災害医療連携検討会」を組成。3者は地域の関係機関と連携して、医療、河川防災、建築の各専門分野の知見を融合した多機関連携型タイムラインの策定及び、同タイムラインを実践するための防災訓練に取り組んできました。例えば、情報共有の方法、および降雨量や河川水位の変化などのデータを基にした防災行動のタイミングを参加者全員で検討する機会などを設け、地域医療連携の推進に努めてきました。
こうした取り組みにより人吉・球磨地域においては地域災害医療連携が可能になってきたものの、県内の災害医療救護活動の強化には、洪水浸水想定区域に所在する災害拠点病院が複数あること、豪雨に限らず災害時には医療連携が必要になることを考慮した対応が必要です。そこで3者は、協働して地域医療連携の推進に努めることがその強化に繋がると考え、本日の包括連携協定に至ったものです。
3者は今後、災害時の医療救護活動における地域連携の推進、水害に関わる情報の収集及び分析、情報共有の方法やツールについての検討に連携して取り組み、二次医療圏を単位とする多機関連携型タイムライン策定の推進・支援にあたります。
≪参 考≫
二次医療圏
救急医療を含む一般的な入院医療が完結するように設定された区域で、複数の市町村から構成される。必要な医師数や病床数などの計画は二次医療圏をベースとしており、地域医療の基本的な単位といえる。発災直後は、域外から派遣されるDMATなどの支援部隊の到着までの間、二次医療圏の医療機関が協力して地域として医療活動を継続することが重要となる。
以上
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