2025.01.06
清水建設株式会社
社長 井上 和幸
当社グループは昨年5月に策定した中期経営計画の下、持続的成長に向けた歩みを着実に進めています。採算重視の受注活動や収益確保に向けた取り組みの成果が業績にもはっきりと現れてきていますが、業績の本格的な回復への道のりはまだ半ばです。不断の努力と創意工夫を重ね、さらなる飛躍を目指しましょう。
1年のスタートにあたり、今一度、全社を挙げて徹底しなければならないのは「安全と品質の確保」です。当社の工事現場では、危険と隣り合わせの環境で多くの人々が働き、現場の周囲では市民の方々が日常生活を送っています。ちょっとした不注意や手順の誤りで、そうした方々を危険に晒してしまう可能性があることを肝に銘じ、絶対に事故を起こさないという強い決意を持ち続けてください。他方、品質の確保に関しては、諸先輩が情熱を持って「誠実なものづくり」に取り組んできたことが、社会やお客様からの信頼の基礎にあることを心に留めてください。ひとたび品質不具合が起これば、その影響が大きな波紋となり、シミズグループに対する信頼が著しく損なわれる結果となります。全従業員が品質へのこだわりと仕事に対する誇りを持ち、社会に貢献する最高品質の建造物を提供し続けていくことで、「品質のシミズ」という企業ブランドを確固たるものにしていきたいと考えています。
「誠実なものづくり」に加え、「顧客第一」「進取の精神」に代表される創業者の精神、渋沢栄一翁の教えである「論語と算盤」は、時代を超えて受け継がれてきたシミズの財産です。時代を超えた普遍性を持つ固有の財産を再認識した上で業務にあたるということも、新たなマインドセットとして掲げた「超建設」の根幹たる志です。忙しさに翻弄されると、得難い固有の財産の存在を忘れ、活かし切れぬまま仕事が進んでしまうということも起き得ます。シミズグループの持続的成長を図る上では、グループ全体で「超建設」の志を共有し、実践を重ねていくことが肝要です。併せて、中期経営計画の目標達成に向けて、解決すべき課題を自分ごととして捉え、自ら進んで必要な取り組みを実践するよう心掛けてください。経営陣や上職からの指示を待つばかりでなく、課題解決に向けて自ら行動を起こす。そして、自らイノベーションの原動力となって変革を主導してもらいたいと思います。
激しく変化する社会環境下、当社や建設業界を取り巻く事業環境も複雑に変化し、競争も一層熾烈になってきています。進むべき方向を容易に見出すことができない正解のない時代にあっても、協力会社の皆さんを含めたシミズグループの一人ひとりがコミュニケーションを密にしながら、勇気と信念を持って前進していく。そんな一年にしていきたいと考えています。
以上
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