2024.08.02
清水建設(株)<社長 井上和幸>は、資源循環社会の実現に向けた取り組みの一環としてこのほど、AGC(株)<社長 平井良典>の協力の下、超高層ビルの解体現場から排出された廃板ガラスをガラス製品の材料として再資源化するマテリアルリサイクルを実現しました。対象現場は「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業解体工事」で、解体建物から取り出した外装ガラス・約340tをリサイクルし、板ガラス製品、グラスウール、路盤材の原材料として利用しました。
当社は、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の中で、「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」の実現に貢献すべく、2050年までに自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、お客様や社会にプラスの環境価値を積極的に提供していくこと(Beyond Zero)を目指すべき姿として掲げています。資源循環社会の実現に向けては、建設廃棄物やオフィス廃棄物など自社事業による廃棄物の“最終処分量ゼロ”、建設資材の再生材料化など施設のライフサイクルにわたる資源循環の実現を目指しています。
今回、マテリアルリサイクルに取り組んだ解体建物の廃板ガラスは、再生利用のハードルが高く、そのほとんどが現場で破砕された後、最終処分場に埋め立てられているのが現状です。ガラス製品の原材料としてリサイクルするためには、板形状のまま撤去して解体現場から搬出する必要があり、その分、施工と運搬のコストが増加することになります。他方、建築物の外装に多く使用されている板ガラスのマテリアルリサイクルに取り組むことで、資源循環社会の実現に少なからず貢献できます。
今回の取り組みでは、解体建物に使用されていた外装ガラスの約9割を板状のまま取り外してリサイクル工場へ搬出し、シール材などのガラス以外の素材を選別・除去した後、細かく砕いてカレット状に加工します。続いて、カレット化したガラス材をAGC(株)のガラス製造工場に供給し、ガラス原材料としての品質を実窯試験でチェックした後、試験に合格したカレット材を新たに製造する板ガラスの原材料として利用しました。板ガラスの製造に利用されたカレット材は196tで、残りの90tをグラスウール、55tを路盤材の材料として活用しました。
廃板ガラスの再資源化の取り組みは、ガラス製造におけるバージン原料の使用量の低減のみならず、製造時のエネルギー効率の向上によるGHG削減にも寄与します。今回の取り組みでは、カレット材の供給によりバージン原料の使用量を235t節減し、原料調達から製造までの板ガラス生産プロセスにおけるCO2発生量を約100t削減できました。
当社は今後、多量の廃材を排出する超高層ビルの解体工事を中心に、廃板ガラスのマテリアルリサイクルを推進し、資源循環社会の実現に寄与していく考えです。
以上
≪参 考≫
廃板ガラス・マテリアルリサイクルの仕組み
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