首里城正殿の木軸建て方が完了

~檜材約330m3、柱・梁513本で構成する骨組が完成~

  • 建築

2023.12.25

内閣府沖縄総合事務局から首里城正殿復元整備工事を請け負う清水建設・國場組・大米建設JV(以下、当社JV)は、本日、正殿頂部に棟木を取り付け、柱・梁(貫、桁)の建て方を終えました。今後、屋根・軒廻りの工事及び、化粧材などを取り付ける造作(仕上げ)工事が始まり、徐々に焼失前の姿形が現れてきます。

棟木とは、木造建築の場合、屋根の天辺(小屋頂部)に取り付ける横材のことで、棟木の取り付けを以て柱や梁で構成する建物の骨組が完成します。首里城正殿は非常に大きな木造建築のため、約36cm角の檜の横材を4本(364×364×3,893mm‐1本、5,902mm‐1本、6,484mm‐1本、7,332mm‐1本)継いで長さ21.451mの棟木を構成します。棟木の産地は、愛知、岡山、静岡の3県です。

檜柱の建て方工事が始まったのは本年9月4日です。当社JVは1本目の柱を建て込む前に立柱式を行い、工事の安全成就と永遠堅固を祈念しました。以後、建て方工事は順調に進み、11月16日に下層階、12月13日に上層階の柱・梁の組み立てを終え、12月25日に小屋(屋根内側の骨組)が組み上がり、本日、木軸の建て方が完了しました。柱・梁513本に使用した檜材の数量は約330m3で、調達先は22府県に及びます。沖縄県産のオキナワウラジロガシも小屋の丸太梁2本に採用されています。

12月中は、35名前後の宮大工が木材加工場と正殿の工事現場を覆う素屋根の中で作業を進めてきました。うち12名は沖縄県出身者で、女性の宮大工も2名(1名は沖縄県出身)含まれます。引き続き宮大工中心の工事になりますが、屋根・軒廻りの工事及び造作工事が主体になり24年末まで続きます。造作工事を追って、来年6月頃から屋根瓦葺き、7月頃から外部の塗装工事が始まる予定であり、その頃には日々、80~90名の匠が現場に入場し、工事が最盛期を迎えます。

なお、素屋根北西側のコーナー部には、3層に分かれた見学エリアを設けており、素屋根の中を隈なく見渡すことができます。その使用開始日には岸田総理が現場を訪れ、「見せる復興」の機運が一層盛り上がりました。当社JVは引き続き、内閣府沖縄総合事務局と連携の下、見せる復興並びに工事関連情報の発信に努めるとともに、無事故・無災害での完成を目指します。

以上

≪参 考≫

首里城正殿復元整備工事の様子(2023年12月20日撮影)

小屋(屋根内部)を構成する木材の建て方が進む素屋根の中
小屋(屋根内部)を構成する木材の建て方が進む素屋根の中
整然と建て込まれた檜の柱・梁
整然と建て込まれた檜の柱・梁

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