バーチャルエコノミーの拡大に向け、産学官協働の研究開発が始動

~「コミュニケーションを拡張するインターバース技術の研究開発」がSIP第3期課題に採択~

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2023.12.25

清水建設株式会社<社長 井上和幸>は、国立研究開発法人産業技術総合研究所、学校法人早稲田大学、国立大学法人東京大学、株式会社バンダイナムコピクチャーズと共同で、内閣府が運営する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題/バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」に係る公募に対し、「コミュニケーションを拡張するインターバース技術の研究開発」プロジェクトを提案し、採択されました。

1.概要

SIP第3期の課題のうち、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が研究推進法人となる「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」(以下、本課題)において、上記5者による共同研究チームが研究開発事業の委託先として採択されました。本事業の委託期間は、2023年9月28日から2026年3月31日を予定しています。(延長あり、最大5年間)

<課題設定の背景と目的>

メタバースなどに代表される仮想空間サービスは今後100兆円を越える巨大な市場になると予測されており、現在はまさしくサイバー空間を活用した経済圏「バーチャルエコノミー」の拡大期にあります。その中で、我が国の強みは、サイバー空間・フィジカル空間双方とのインタラクションにより、フィジカル空間の情報をサイバー空間に持ち込み、そこで価値を生成することにとどまらず、その価値をフィジカル空間に還流させることにあると考えられます。

本課題では、サイバー空間とフィジカル空間を連接するインターバースを注力領域として、従来の業界・分野の枠を超えた府省連携による基礎から社会実装までの一気通貫の取り組みにより、バーチャルエコノミーにおいて我が国が世界をリードすることを目指します。技術開発やルール・制度の整備により、新たなバーチャルエコノミー圏の創出・拡大を図り、経済的発展と課題解決の両方に寄与するSociety5.0の実現の一端を担うことを目的とします。実施予定の研究開発テーマに共通する実施方針として、オープン&クローズ戦略の考え方を踏まえ、国内企業及びユーザが利益を享受することのできる海外と国内の競争・協調環境を構築します。

(参考)内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」社会実装に向けた戦略及び研究開発計画

<採択プロジェクトの内容>

インターバース参加者間のコミュニケーションを拡張するさまざまな機能を実現するための要素技術の研究開発、実現したコミュニケーション拡張機能を有する各種産業応用向けインターバースPoC システムの構築、PoCシステムの実証実験を通した効果検証と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の抽出、抽出された課題への技術や標準による対応の検討、およびこれらの活動を通して得られる成果の積極的な発信による関連市場の活性化と、研究開発成果の社会実装を目指します。

2.研究開発プロジェクト

<プロジェクト名>

「コミュニケーションを拡張するインターバース技術の研究開発」

<委託先(順不同)>

  • 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 理事長 石村 和彦
  • 学校法人 早稲田大学 理事長 田中 愛治
  • 国立大学法人 東京大学 総長 藤井 輝夫
  • 清水建設株式会社 代表取締役社長 井上 和幸
  • 株式会社バンダイナムコピクチャーズ 代表取締役社長 佐藤 弘幸

<研究開発責任者>

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
人間拡張研究センター スマートワークIoH研究チーム 研究チーム長 大隈 隆史

<研究開発項目(予定)>

  • コミュニケーション拡張インターバース研究開発(産業技術総合研究所)
  • 経済学モデル適用によるインターバースコミュニティ支援技術の研究
    (東京大学、早稲田大学、産業技術総合研究所)
  • インターバースオフィスサービス実証評価研究
    (清水建設、産業技術総合研究所)
  • インターバース上で実施されるイベント等の運営支援技術の実証評価研究
    (バンダイナムコピクチャーズ、産業技術総合研究所)
  • インターバースのリスク低減技術(産業技術総合研究所)
  • インターバース利用におけるELSIに関する研究(産業技術総合研究所)

以上

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