バイオ炭を用いた環境配慮型コンクリートを実工事に初適用

~仮舗装コンクリートに炭素を固定化し、CO2排出を99%削減~

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2023.02.21

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、バイオ炭を用いてコンクリート内部に炭素を貯留する自社開発の環境配慮型コンクリート(以下、バイオ炭コンクリート)を実工事に初適用しました。適用現場は、新東名高速道路川西工事(発注者:中日本高速道路(株))で、場内工事用道路の仮舗装コンクリート34.5m3にバイオ炭コンクリートを使用しました。

バイオ炭コンクリートは、木質バイオマス(オガ粉)を炭化したバイオ炭をコンクリート1m3あたり20~80kg混入した環境配慮型コンクリートで、バイオ炭の混入量1kgあたり2.3kgのCO2を固定化できます。セメント材料に低炭素型の高炉セメント類を使用すれば、普通コンクリートのCO2排出量と比べて最大118%のCO2削減効果が得られ、削減量が排出量を上回るカーボンネガティブを実現できます。今回の適用現場では、高炉セメントB種をセメント材としたコンクリートに60kg/m3のバイオ炭を混入する配合を採用し、普通コンクリート比99%のCO2排出削減効果を実現しています。定量的なCO2削減量は6.7トンです。

バイオ炭コンクリートは、環境性能のみならず施工性にも優れ、現場でのポンプ圧送に対応できる流動性も備えます。また、強度性能についても普通コンクリートと遜色なく、適用現場で打設したバイオ炭コンクリートのコア供試体の圧縮試験でも設計基準強度を十分満たす性能を保持していることが確認できました。

当社は、脱炭素社会の実現に向けて、バイオ炭コンクリートの適用範囲を広げ、仮設構造物のみならず擁壁や橋台など本設コンクリート構造物への適用を順次進めていく考えです。

以上

≪参 考≫

バイオ炭コンクリート打設時の様子

バイオ炭コンクリート打設時の様子

打設後の様子

打設後の様子

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