フィリピン初の地下鉄工事でシールド掘進がスタート

~マニラ首都圏地下鉄事業CP101工区~

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2023.01.17

清水建設(株)<社長 井上和幸>を代表企業とする共同企業体(JV)が、フィリピン共和国で建設を進めている同国初の地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業CP101工区」において、シールド工法によるトンネル掘削工事がスタートし、1月9日、フェルディナンド・マルコス大統領、ハイメ・バウティスタ運輸大臣ら多数の来賓を迎え、シールド機の発進式を挙行しました。JVパートナーは(株)フジタ、(株)竹中土木、地場大手建設会社・EEI社の3社です。

マニラ首都圏地下鉄事業は、圏内人口の急激な増加に伴い年々深刻化する交通渋滞の緩和を目的に計画されたもので、日本政府の円借款プロジェクトとして、首都圏北部のミンダナオ通りとニノイ・アキノ国際空港が位置する南部ウェスタンビクタンを結ぶ全長33.1kmの地下鉄区間に17駅舎と車両基地を整備します。当社JVは、北端の車両基地からキリノハイウェイ駅、タンダンソラ駅、ノースアベニュー駅へと続く延長7.3kmの先行開業区間「CP101工区」の施工を担当し、車両基地と3駅舎、ならびに、それらを結ぶ計6本(上下線各3本)のシールドトンネルの建設に従事します。

当工区の工事発注は3つに区分され、2019年11月に車両基地、タンダンソラ駅、地下移行部開削トンネルの建設等を対象とする「その1工事」、2020年3月にキリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅の主要躯体工事等を対象とする「その2工事」、2021年12月にシールドトンネル工事、キリノハイウェイ駅およびノースアベニュー駅の建築・設備工事等を対象とする「その3工事」をそれぞれ設計施工で受注。JVの総受注金額は1,585億円(日本円換算)です。建設工事には2021年8月に着手し、これまで、車両基地の建築工事、地下移行部の開削トンネル工事、各駅舎の地下躯体工事を順次進めてきました。全体竣工は2027年7月を予定しています。

このほど着手したシールドトンネル工事では、6機の泥土圧シールド機を使用し、総延長9.5kmに及ぶ内径6.1mの地下鉄トンネル6本を構築します。1月9日に発進したシールド機は車両基地の発進立坑からキリノハイウェイ駅に向かう2機で、今後、ノースアベニュー・タンダンソラ駅間、タンダンソラ・キリノハイウェイ駅間の上下線トンネルを順次構築していきます。各シールド機が順次発進し、掘進・到達を繰り返す工事となりますが、シールド工事の経験のないフィリピン人作業員やJVスタッフを教育・指導しながら、安全第一で施工を進めていきます。

本工事は、フィリピン初の地下鉄建設プロジェクトとしてマニラ首都圏民の注目を集め、渋滞解消の切札として大いに期待されています。シールド機の発進という大きな節目に達し、工事はこれから最盛期を迎えます。当社JVは引き続き、確実かつ安全に施工を進めると同時に、質の高い交通インフラを構築・提供することで、フィリピンの発展に寄与していく考えです。

以上

≪参 考≫

マニラ首都圏地下鉄事業 計画路線

マニラ首都圏地下鉄事業 計画路線

マニラ首都圏地下鉄事業CP101工区

マニラ首都圏地下鉄事業CP101工区
断面イメージ
断面イメージ

工事概要

建 設 地 フィリピン共和国マニラ首都圏内
発 注 者 フィリピン運輸省
契約形態 設計施工
請 負 金 1,585億円(日本円換算)
工  期 2021年8月~2027年7月(予定)
規  模 [車両基地]
敷地面積30ha フィリピン鉄道研究所、運行管理センター棟、トレーニングセンター棟、整備場、作業棟など
[地下駅舎]
キリノハイウェイ駅 地下3階、延長235m、幅26~35m
タンダンソラ駅   地下3階、延長280m、幅26~35m
ノースアベニュー駅 地下3階、延長380m、幅36m
[地下移行部開削部]
延長360m(U型擁壁、開削、立坑)
[シールドトンネル]
6本(1,509m、1,458m、1,780m 各2本)
総延長9.5km、仕上内径6.1m
シールド機の発進ボタンを押すマルコス大統領(写真中央)
シールド機の発進ボタンを押すマルコス大統領(写真中央)
シールド機

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