フィンランド・オウル大学と協働し、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会の実現に向けたイノベーションを推進

  • 経営

2022.09.07

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、フィンランドのオウル大学と、5G/6Gをはじめとする情報通信技術の進化が社会にもたらす新たな可能性を協働で探究することに合意し、8月31日に協力覚書を締結しました。両者は、協働の初期活動として、オウル大学の学生を主対象に、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会づくりにおける5G/6G技術利用の新たな可能性の探究に焦点を当てたアイデアコンテストを共催します。

2030年頃までに次世代無線通信システムのBeyond 5G/6Gが実用化され、建設業界を含む多くの事業活動に革命を起こすと予想されています。世界中の多くの研究者や実務家は、5G/6G関連技術が社会にもたらす新たな可能性について早期から模索を開始しています。中でもフィンランドは、世界の6G研究開発の最前線を歩んでおり、オウル大学はその中核として、世界初の大規模な6G研究プログラム「6Gフラッグシップ」を2018年にスタートさせています。

一方、清水建設は、イノベーションを通じて新たな価値を創造し、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会づくりに貢献する“スマートイノベーションカンパニー”を目指すべき企業像として掲げています。また、“デジタルゼネコン”をコンセプトに、情報通信技術を活用したデジタルな空間・サービスの創出に注力しており、5G/6G分野での産学協働を通じて、人々が豊かさと幸福を実感できる持続可能な未来社会の実現に寄与する革新的アイデアが生み出されることを期待しています。

オウル大学と清水建設が共催するアイデアコンテストは、オウル大学が開設する講座「ラディカルイノベーションコース」と連動して運営されます。コンテストの参加者には、5G/6Gの現在の課題や将来の可能性を見定めたうえで、未来の学び方や働き方、健康的なライフスタイル、さらには、その先の未来へつながる道を示すようなアイデアの創出を求めます。併せて、近い将来に実用化が見込める製品やサービスのプロトタイプの制作に取り組んでもらいます。

アイデアコンテストとラディカルイノベーションコースの管理・運営は、ハリ・ハーパサロ(Harri Haapasalo)教授が率いるオウル大学経営工学・経営研究ユニットが担当します。学生たちは、学内のイノベーションエンジンや5G/6Gリソースを存分に利用でき、産業人財を含むメンターの指導の下、学際的な活動にも従事することができます。

オウル大学と清水建設は、日本の5G/ローカル5G研究の第一人者である東京大学大学院工学系研究科の中尾彰宏教授の協力を仰ぎながら、アイデアコンテストの受賞者を2023年前半までに選定し、同年7月に日本へ招待する予定です。来日後、清水建設・ビジネスイノベーション室や国内外のパートナーのサポートの下、革新的アイデアやプロトタイプの共有・実証に取り組んでもらう計画です。

なお、8月31日に清水建設本社で実施した協力覚書の署名式には、オウル大学からヨウコ・ニーニマキ(Jouko Niinimäki)学長をはじめ学内関係者5名が出席、同学長と当社・井上社長が覚書に署名しました。

オウル大学・ニーニマキ学長のコメント

「オウル大学は、国際的なサイエンスコミュニティの一員として、科学に基づいた新たなソリューションを生み出し、よりサステナブルでインテリジェントな世界を構築するような将来の先駆者を養成しています。私たちは、建設業界のリーディングカンパニーである清水建設との長期的かつ実りある協力関係に大きな期待を寄せています」

清水建設・井上社長のコメント

「世界が多くの課題に直面する中、建設業界も課題解決の一部を担うことになります。すべての人々に対する価値創造を協働で行うための継続的な取り組みの中で、よりレジリエント、インクルーシブ、サステナブルな社会の実現に向けて、優秀で多彩な人財を育成されているオウル大学と協力できることをうれしく思います」

オウル大学・ニーニマキ学長と清水建設・井上社長

ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、お問い合わせください。