2022.08.24
清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、建物の発注者からエンドユーザーに至るあらゆる“建物ステークホルダー”の満足度向上を目的に、建物のデジタル取扱説明書「デジトリ360(Digi-Tori360)」を開発、納品先から好評を博しています。今後、紙ベースの取扱説明書を順次取り止め、タブレットに格納したデジトリ360の納品に切り替えていきます。
従来の建物取扱説明書は、当該建物に納品しているメーカー各社から取り寄せた取扱説明書を手作業でファイリングしたものです。集合住宅では住戸ごとに取扱説明書をファイリング、他の用途の建物ではメーカー別に取扱説明書をファイリングしてインデックスを付し、ボックスファイルにまとめて納品します。ただ、建物規模に応じてファイリング量が膨大になるため、作成に手間がかかる反面、建物管理の現場での使い勝手が悪く有効活用されていない事例が多く見受けられます。
そこで当社は、中期デジタル戦略で示したデジタル化コンセプトの一つ「デジタルな空間・サービスの提供」に基づき、デジトリ360を開発しました。名称の通り、360°カメラで撮影した建物内の各所の画像データと関連する建築・設備・電気の各機能の取扱説明書や関連する製作図面、建築仕上図、竣工図などのデータを連動させた、まさに“デジタルな”取扱説明書になっています。
使用方法は簡単で、タブレットの画面上に建物の平面図を表示して確認したい箇所をタップすると、360°カメラで撮影した映像に切り替わり、さらに映像上で当該箇所をタップすると関連する取扱説明書などの関連する情報リストが表示される仕組みになっています。このように、誰でも容易に必要な情報にアクセスできるので、取扱説明書としての使い勝手が飛躍的に向上します。
一方、デジタル取扱説明書に相応しい新たな機能も付加しています。例えば、仕上げ材に覆われていながら管理が必要な部位については、当該部位の施工中の画像データを連動させて表示できます。また、改修履歴や設備の更新履歴をデータ上に残しアーカイブ化できるので、建物の保全記録としても活用できます。もちろん、既存建物の取扱説明書をデジタル化することも可能です。建物規模にもよりますが、デジタル化費用は1物件70万円から、となります。
当社は今後、デジトリ360がもたらす建物管理業務のDXにより、「建物のライフサイクル」を通じてあらゆるステークホルダーに期待を超える価値を提供し続け、受注競争力を一層高めていく考えです。
以上
≪参 考≫
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