ニューノーマル時代のオフィスでデジタル技術が大活躍

~仕事のパフォーマンスが向上する方向にオフィスが進化~

  • 建築

2021.06.30

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、時間と働く場所を選ばないニューノーマル時代の新たなオフィスの在り方として、デジタル技術を活用して働く場所と人を結び付けパフォーマンスの向上に資する「SHIMZ CREATIVE FIELD」を提案します。SHIMZ CREATIVE FIELDはこれからのオフィスの在り方を示した大きな概念で、コミュニケーションのハブとなる本社や支店、サテライトオフィスや自宅などで勤務する社員をデジタル技術で結び、あたかも一つのオフィスにいるような感覚で一体感をもって仕事ができる大きな“仮想”空間を意味します。

提案活動の一環として、このほど、本社の一部フロアを全面改修し、社内外との多様なコミュニケーションに対応できるハブとしての機能を持たせるとともに、多様な仕事の在り方に対応するゾーニングを施し、徹底した感染症対策により安全・安心を確保しました。今後、オフィスの新築・改修を計画しているビル所有者の見学を受け入れ、案件受注に結びつけていく考えです。

日本ではコロナ感染症のパンデミックを契機に、時間と場所を選ばない多様な働き方が進むなか、個人や組織のパフォーマンスの低下や帰属意識の希薄化が懸念されています。このため、多くの企業が新たなオフィスの在り方を模索しており、SHIMZ CREATIVE FIELDはこうしたニーズに対する一つのソリューションです。SHIMZ CREATIVE FIELDを構成する最大の要素はデジタル技術です。中でも、異なる勤務地にいる社員にあたかも一つの空間にいるような感覚をもたらすデジタル技術がキーとなります。

この技術は高精度測位が可能な位置情報システムで、特徴はSHIMZ CREATIVE FIELD内にいる社員のタグから個々の社員を認識し、各勤務地の座席配置を示したフロアのレイアウト図上に個人の所在を表示し、個々のプライバシーを守りつつ、オフィスの状態をライブ配信できることです。オフィス利用者は、レイアウト図をパソコンやスマートフォン、タブレットで共有することで、画面上で関係者の所在や各ゾーンの空き状況を確認でき、氏名を入力すると所在検索も可能です。このため、社員は勤務地を問わず、あたかも同じ空間にいるような感覚で同僚や上司の居場所や仕事の状況を確認でき、かつタイミングを見計らってカジュアルなコミュニケーションを交わすことも可能です。

もう一つの特徴は、個人の1分ごとの移動履歴データが蓄積されることです。それをレイアウト図上で重ねると各ゾーンの使用頻度が求まり、頻度を勘案したレイアウト変更ができるということです。こうしたレイアウト変更を継続することで仕事のパフォーマンスが向上する方向にオフィスが進化します。また、コロナ下にあっては濃厚接触者の割り出しも瞬時に行うことができ、個人的には各ゾーンでの滞在履歴や対面履歴を振り返ることで業務の効率化が可能です。

本社17階の設計本部フロアの改修にあたっては、コミュニケーションハブに相応しく、ミーティングゾーンを充実させるとともに、個人が希望する働き方を反映し、独立した個人席やソファ席、リチャージスペースなどを設けました。さらには、位置情報システムと当社が開発した建物OS「DX-Core」を連動させて館内の設備制御を行い、個人の所在や密度に合わせた空調・照明管理により、快適環境を提供しつつ省エネを図ります。また、順天堂大学と共同開発した建物内感染リスクの評価手法『感染リスクアセスメントツール(オフィス版Ver.1.0)』により適切なリスク低減策を織り込み、常時の健康と非常時の安全を両立させました。

以上

≪参 考≫

リノベーション後の様子

リノベーション後の様子

位置情報システムの表示モニター

位置情報システムの表示モニター

改修前の様子(17階)

改修前の様子(17階)

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