東京都中央区京橋における木造ハイブリッド構造の賃貸オフィスビルの計画検討着手について

  • 建築

2021.06.16

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第一生命保険株式会社
清水建設株式会社

第一生命保険株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:稲垣精二)と清水建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井上和幸)は、東京都中央区京橋二丁目において、木造ハイブリッド構造の賃貸オフィスビル(想定規模:地上12階・地下2階建、高さ約56m、延床面積約16,000m2)の新築計画の検討に着手することに致しましたので、お知らせします。

今後、再生可能な循環資源である木材の使用などの持続可能な社会の形成に貢献する計画を目指して、関係各位との協議を行いながら進めてまいります。

以上

≪参 考≫

1.本計画の特徴

  • 第一生命として2件目の木造オフィスビルであり、初の中高層賃貸オフィスビルの実現
  • 多摩産材を含めた国産材の使用による、森林資源の循環利用※1と地域創生・活性化への貢献
  • 施設利用者のQOL※2向上、健康経営への寄与
  • 主要構造部の柱・梁の一部に木材を使用(1,000m3程度)
  • 木造ハイブリッド構造の採用により、同規模の鉄骨造の賃貸オフィスビルと比べ、建設時のCO2排出量を20%以上削減
  1. 森林資源の循環利用(植える→育てる→使う→植える)を推進することで、適切な森林整備が確保されるとともに、将来にわたる木材の利用が可能となります。
    出所:林野庁  https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/26hakusyo/pdf/5hon1-1.pdf
  2. “Quality Of Life”の略。物理的な豊かさだけでなく、精神面を含めた豊かさを意味します。
外観イメージ
外観イメージ

2.本計画について

本計画は、第一生命・清水建設にとってゆかりのある京橋※3に、木造ハイブリッド構造の賃貸オフィスビルを建築するものです。木材を利用することで、施設利用者や周辺の皆様に木の持つ魅力を享受していただくとともに、建設時のCO2排出量の削減に努め、環境に配慮した計画とします。また、施設利用者のQOL向上や健康経営にも寄与する施設づくりを目指す予定です。

想定規模は、地上12階・地下2階建、高さ 約56m、延床面積 約16,000m2で、今後、詳細の検討を進め、2025年以降の竣工を目指します。

※3 第一生命は1921~1938年にかけて、京橋に本社を置いていた。清水建設は1903~1991、2012年以降、京橋に本社を置いている。

木造ハイブリッド構造による中高層賃貸オフィスビルの実現

木造建築は、地球環境にもやさしく、地域経済や林業・木材産業の活性化にも寄与するため国内外で注目が高まっています。主要な構造材に清水建設が開発した『シミズハイウッド®(最先端の木造ハイブリッド技術)を採用する予定です。使用する木材は、多摩産材を含む国産木材を予定しており、中高層ビルとして最大級となる1,000m3程度の木材を使用し、建設時のCO2削減や固定化に努めます。建設時のCO2排出量については、同規模の鉄骨造の賃貸オフィスビルと比べ、20%以上の削減を目指します。さらに、工事電力は、木質バイオマス発電由来のグリーン電力証書を活用して、全て再生可能エネルギーで賄う予定で、約230tのCO2削減効果を見込んでいます。

※『シミズハイウッド®

木材と鉄骨、コンクリートをニーズに応じて適材適所に組み合わせるハイブリッド技術です。中大規模の木造建築に求められる高い耐震性、耐火性、施工性を満たすとともに、デザイン性、経済性にも優れています。なお、シミズハイウッドを構成する要素技術は『スリム耐火ウッド』『ハイウッドビーム・スラブ』『ハイウッドジョイント』です。

シミズハイウッド

新型コロナウイルス感染対策も含めた施設利用者のQOL向上・健康経営への寄与

自然換気をはじめ感染低減対策を採り入れるほか、木そのものに囲まれた空間形成やバルコニー利用を促す施設計画とすることで、施設利用者のQOL向上や健康増進、コミュニケーションの活性化が図れるビルとします。

3.環境への取組み

第一生命と清水建設は、気候変動に対する環境問題について、さまざまな取組みを実施しています。本計画でも、環境に配慮した計画とし、持続可能な社会の実現に向けて検討していく予定です。

(1)第一生命

第一生命は、サステナビリティを巡る課題への対応に関する取組みをこれまでも進めてきましたが、2021年4月からの新たな中期経営計画においても、この取組みを更に強化し、様々な社会課題の解決に向けて取り組む方針です。中でも気候変動への対応は、第一生命における「重要な社会課題」の一つと位置付けています。

2021年2月には、本邦初となる「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス」への加盟を通じ、2050年までに運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロとすることをコミットし、産業革命以降の平均気温上昇を1.5℃未満に抑制するというパリ協定の目標と整合的なポートフォリオへ移行することを目指しています。

更に、2021年3月には「2023年度までにRE100を達成する(特に当社が外部賃貸する物件(投資用不動産)は2021年度中に100%再生可能エネルギー化)」方針を決定する等、カーボンニュートラルの実現に向けた取組みを力強く進めています。

シミズハイウッド

パリ協定での目標(気温上昇を1.5℃未満に抑える)達成を目的に、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアティブ。2019年、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)と国連責任投資原則(PRI)の主導により設立

RE100

事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアティブ。当社は2019年8月に加盟。

(2)清水建設

清水建設は気候変動を最も重要な環境問題の一つと認識し、CO2排出削減の中長期目標「エコロジー・ミッション2030-2050」を掲げ、目標達成に向けた取組みを推進しています。その目標は2018年に環境省エコファースト制度の認定、2019年にSBT(Science Based Targets)の認証を取得しました。また、取組みの一環として、2020年度からグリーン電力証書の活用による工事電力の再エネ化を進めています。

更に、太陽光・風力・バイオマス・地熱・小水力などの再エネ発電・売電事業、洋上風力発電施設建造のための世界最大級の自航式SEP船の建造、産業技術総合研究所との建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-Bic」の共同開発など、再生可能エネルギーの創出と普及に向けて多角的に取り組んでいます。

ECO FIRST

環境保全に関する業界のトップランナー企業の行動を更に促進していくため、企業が環境大臣に対し、自らの環境保全に関する取組を約束、環境大臣が当該企業を業界における環境先進企業と認定する制度。

SCIENCE BASED TAEGETS

2015年にWWF、CDP、国連グローバル・コンパクト、およびWRI(世界資源研究所)が共同で設立。世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるために、企業に対して科学的な知見と整合した削減目標を設定するよう求めるイニシアティブ。

4.持続可能な開発目標(SDGs)への貢献

2015 年9月の国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成される国際目標が定められており、様々な主体が連携しての取組みが求められています。本計画では、東京都の地産木材の使用等により地産地消や地域活性化、CO2削減等に取り組んでいくことで、特に以下の8つの目標への貢献を目指します。

SDGs

物件概要

所在地 東京都中央区京橋二丁目4-12
主要用途 オフィス、店舗
規模 階数:地上12階・地下2階建、延床面積:約16,000m2
構造 鉄骨造、一部木造
建築主 第一生命保険株式会社
設計・施工予定者 清水建設株式会社

本資料中の記載・イメージパース等は計画段階のものであり、今後変更が生じる可能性がございます。

位置図

位置図

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