AR技術で施工管理を支援

~Shimz AR Eyeを開発・実用化~

  • 建築

2021.03.02

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、AR技術を活用して携帯型タブレットの端末上で建物のBIMデータとリアルタイムのライブ映像を合成表示して見える化し、施工中の設備配管や建物躯体の施工管理を支援するITシステム「Shimz AR Eye」を開発・実用化しました。すでに、BIMで設計した建物の新築・改修工事の18現場に試験適用し、性能や使い勝手を確認しています。

施工管理は、新築・改修を問わず、設計図と実際の躯体や設備配管などとを照合することがベースになります。しかしながら近年は、複雑化が一層進んだ躯体や設備配管の確認は容易ではなく、改修工事にいたっては仕上げ材料の下に隠れている躯体や設備配管を対象としてこれらの作業を行う必要があり、負担が大きくなっていました。「Shimz AR Eye」は、こうした施工管理の支援ツールとして開発したもので、タブレット端末、可視化用アプリケーション、BIMクラウドデータベースから構成されます。

使用手順は、最初に担当者が現場にタブレット端末を持参、端末上に平面図を表示した後、自分の立ち位置をクリックすると、システムが端末の3次元の位置情報を認識します。その後は担当者が移動しても位置情報の再設定は不要です。続いて確認したいBIMの3次元情報、例えば躯体、設備配管、空調ダクトなどをクリックして選択し、レイヤ透過率を指定します。レイヤ透過率とは表示する3次元情報の濃淡です。また、表示する3次元情報の順番を指定すると、躯体、設備配管、空調ダクトなどの順に自動的に表示することが可能です。もちろん、すべてを同時に表示することも可能です。

一連の設定を終え、タブレット端末から任意の方向を眺めると、新築時には、例えば、施工中の設備配管のリアルタイムのライブ映像とBIMの3次元の図面情報を自動的に合成表示できるので、双方を容易に照合できます。また、次工程のBIMの3次元情報と現場のライブ映像を合成表示することで、次工程の施工計画の立案支援も可能です。一方、改修時には、タブレット端末から任意の方向を眺めるとライブ映像の上に例えば天井裏に設置されている設備配管などが浮き上がるように合成表示されるので、容易に所在を特定できます。

当社は引続き、建築・土木工事を問わず、AR技術を活用した施工支援ツールの導入を進め、施工管理の一層の効率化を進める計画です。

以上

≪Shimz AR Eyeの使用イメージ≫

Shimz AR Eyeの使用イメージ

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