シミズ・ボードスプリッターで石膏ボードを効率よく加工

~切断効率が最大50%以上向上~

  • 建築

2020.11.04

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、建築仕上げ工程の生産性向上施策の一環として、作業員による石膏ボードの切断作業をアシストする装置「シミズ・ボードスプリッター」を開発しました。春日・後楽園駅前再開発建設所において、1万枚以上の石膏ボードの切断に使用し、諸性能は確認済みです。

通常、ボード貼工は作業時間の約1/3をボードの切断に費やします。この切断作業には、切断形状が複雑になると効率が下がる、電動のこぎりの使用により大量発生する粉塵の回収に手間がかかる、切断面に生じる凹凸を均すやすり掛け作業を伴う、などの諸課題がありました。

新開発の「シミズ・ボードスプリッター」は、石膏ボードを固定する把持機構、把持した石膏ボードに2本のカッターで両面から切り込みを入れる切断機構、切断形状や作業指示を入力するタッチパネルなどから構成されます。使用方法は非常に簡単で作業員が石膏ボードをセットし、タッチパネルに切断形状および寸法を入力すると、2本のカッターが同調し、石膏ボードの両面から切り込みを入れます。この切込みにより、石膏ボードは手で軽く触れる程度で綺麗に折れ、容易に切り離すことができます。切込みを深くすることにより、切断面もきれいに仕上がります。

春日・後楽園駅前再開発建設所では、「シミズ・ボードスプリッター」を使用することで、手作業に比べ歩掛かりを平均で12%、切り込み箇所が多くなると50%以上向上させることができました。この装置は、ボードを完全に切断するのではなく、切り込みを入れるだけなので、粉塵の発生量が少なく、かつ切断面には凹凸がなくなり、やすり仕上げも不要になります。また、市販のカッター刃を使用しているため、ランニングコストも低く抑えることができます。

当社は今後、「シミズ・ボードスプリッター」を石膏ボードの切断作業が多い鉄筋コンクリート造の集合住宅や病院の作業所に水平展開をはかるとともに、将来的には作業所内に石膏ボードの切断作業を専門に行うヤードを設け、石膏ボードの加工と施工とを分離することで一層の生産性向上を図る考えです。

以上

≪参 考≫

石膏ボード切断装置全景
石膏ボード切断装置全景
石膏ボード両面をカッターで切断している状況
石膏ボード両面をカッターで切断している状況
石膏ボード両面をカッターで切断している状況
石膏ボード両面をカッターで切断している状況
仕上がり切断面の違い(上段:従来方法、下段:石膏ボード切断装置)
仕上がり切断面の違い(上段:従来方法、下段:石膏ボード切断装置)

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