薄肉型巻付け耐火被覆材を共同開発

~耐火被覆工事の施工性が向上~

  • 建築

2019.11.26

清水建設株式会社
ニチアス株式会社

清水建設(株)<社長 井上和幸>とニチアス(株)<社長 武井俊之>は共同でこのほど、鉄骨大梁の耐火被覆工事の施工性を向上させる2時間耐火の薄肉型巻付け耐火被覆材を開発、 近くニチアス(株)が同社製品マキベエ®の「高密度仕様 25㎜品」として発売します。すでに「高密度仕様 25㎜品」については、当社が施工中の東京ワールドゲート・神谷町トラストタワー(港区虎ノ門4丁目)の大梁の一部に46,000m2を適用した実績があり、厚手の従来製品に比べ施工性が10%程度向上することを確認しています。

昨今、鉄骨耐火被覆の吹付工の不足や急務となっている現場の環境改善を背景に、湿式に代替して乾式の巻付け型耐火被覆材を採用する現場が増えています。ただ、巻付け型耐火被覆材には、運搬、巻付けといった一連の作業において、負担軽減のためのスリム化が求められていました。

そこで両社は、従来製品よりも薄手ながら同等の耐火性能を発揮する薄肉型の巻付け耐火被覆材マキベエの「高密度仕様 25㎜品」を開発しました。マキベエは、原材料となる製鉄所から排出されるスラグ(鉱物成分)と天然鉱石を高温で溶融した溶液を遠心力で繊維化・集綿し、表面に難燃性の着色不織布を接着させた2層構造の耐火被覆材です。

同等の耐火性能を維持しつつ巻付け耐火被覆材のスリム化を図るためには、単位面積あたりの原材料密度を高める必要がありました。そこで、繊維化・集綿の製造ラインにおいて、原材料の密度を安定的に高められる製造条件を模索し、製品化に成功したものです。開発にあたっては、清水建設(株)が基礎実験や施工性の検証、ニチアス(株)が製品仕様の選定を担当し、両社で耐火認定取得に向けた性能確認実験を実施しました。

「高密度仕様 25㎜品」は、同性能の「従来仕様 40㎜品」に比べて40%近く薄く、1m2あたりの重量は3kgと従来仕様に比べ1kg、25%軽量化しています。耐火性能については、鉄骨大梁を対象に、一重巻きで耐火2時間、二重巻で耐火3時間の国土交通大臣認定を取得しています。なお、鉄骨小梁は適用対象外となります。

清水建設(株)は引き続き、施工の合理化につながる技術開発を促進するとともに、ニチアス(株)はマキベエ商品の拡販に努める計画です。

*「マキベエ」はニチアス(株)の登録商標です。

以上

≪参 考≫

マキベエ「高密度仕様25㎜品」を施工した梁の状況

マキベエ「高密度仕様25㎜品」を施工した梁の状況

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