2019.11.15
清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、山岳トンネル工事の生産性向上と品質管理の高度化を目的に、岐阜工業(株)<社長 宗像国義>と共同で、覆工コンクリートの自動打込み・締固めシステムを開発しました。11月20日から、和歌山県内で施工中の湯浅御坊道路川辺工事(発注者:NEXCO西日本関西支社)に本システムを導入し、標準配合(中流動コンクリート)による覆工コンクリート打設に適用する予定です。
熟練の技能労働者の大量離職が懸念される中、山岳トンネル工事の覆工コンクリート施工では、技能労働者が狭隘な作業空間の中でコンクリートの打込みや締固め等の作業に従事しており、作業負荷を軽減するための対策が求められています。また、品質面でも、締固め状況の判断等を熟練技能労働者の経験と勘に依存する状況にあり、品質確保も重要な課題となっています。そこで当社は、作業員を苦渋作業から解放するとともに、施工品質の均質化を図るシステムとして自動打設システムを開発しました。
このシステムは、型枠バイブレータとコンクリートセンサーを各所に配置した移動式型枠(セントル)と、セントル端部からコンクリートを充填する自動打込み装置で構成されます。システムの特徴は、センサーが検知した定量データを基に、コンクリートの打込みから締固め、打ち止めに至る一連の打設作業の進捗を自動制御することです。
コンクリートの打込みには、打設の進捗に応じてコンクリート配管の切り替えや打込みノズルの移動を自動制御するマニピュレータ装置を利用。マニピュレータ装置は、2本の打込みノズルを備え、セントル端部の鋼製枠に設けた打込み口の下部から上部へと順にノズルを移動させながらコンクリートを充填していきます。各打込み口から圧送されたコンクリートの打込み高さが所定の位置まで達したことをセンサーが検知すると、その場所での打込みが完了し、打込みノズルが上部の打込み口へと自動的に移動します。
一方、充填したコンクリートの締固めには、型枠に設置したバイブレータを利用し、型枠自体を振動させることでコンクリートを締固めます。締固めの完了のタイミングは、センサーが計測したコンクリートの圧力や温度、型枠の沈下量等のデータからシステムが判断します。これにより、打設作業の省人化・省力化ならびに、技能者の技量に依存しない定量的な指標に基づく品質管理が可能になります。
本システムの省人化効果については、打設作業に従事する人員を6名から2名に縮減できる見込みです。
以上
≪参 考≫
システム構成
岐阜工業(株)の概要
所 在 地 | 岐阜県瑞穂市田之上811番地 |
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資 本 金 | 6,000万円 |
社 長 | 宗像国義 |
設 立 | 1973年(昭和48年)5月 |
事業概要 | トンネル用建設機械の設計、製作、販売 |
湯浅御坊道路川辺工事の概要
発 注 者 | 西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本関西支社) |
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工事場所 | 和歌山県日高郡日高川町中津川地区 |
工 期 | 2017年5月~2020年8月 |
規 模 |
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