コンピュテーショナルデザインで設計品質を追求

~高度なシミュレーションで高付加価値提案を展開~

  • 建築

2019.08.29

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、企画・基本設計段階における設計提案の一層の高付加価値化を目的に、全社設計部門において高度なコンピュテーショナルデザイン手法を展開するためのプラットフォームShimz DDE(Digital Design Enhancement platform)」を構築、このほど本格的に組織的運用を開始しました。設計者はShimz DDE上の様々なツールを活用することで、データ(エビデンス)に裏打ちされた付加価値の高い設計提案を行うことができます。組織展開にあたっては、(株)アルゴリズムデザインラボ他外部の協力を得て、社内研修システムを整備・展開。高度なスキルを持つ設計者は既に200名近くに達しています。

Shimz DDEは、3DモデリングソフトRhinoceros®と、そのアドインのビジュアルプログラミングツールGrasshopper®を核に、意匠・構造・設備の分野を横断する数十種類に及ぶソフトの機能を統合・集約しています。プラットフォームとしての大きな特徴は、設計者がプログラミング言語を用いることなく、3Dモデルをベースとした多様な設計検討を「直観的な操作」で行えることです。例えば、建物形状の検討はもとより、各種法規制のチェック、構造解析、環境負荷の把握とそれに基づくエネルギー消費の検討、そしてこれら膨大なデータからの設計条件に則した最適な設計案の選定、さらにプレゼンテーションにいたるまで、あらゆる設計行為が含まれます。

コンピュテーショナルデザインの手順は、一例としてはじめに設計者がGrasshopperで形状生成のルールを設定し、数値(パラメータ)を変化させながら、建物の3Dモデルを作成します。このモデルは、法的条件のチェックや構造や環境負荷の解析など、意匠・構造・設備のあらゆる検討に用いることができます。続く各検討の過程においては、設計者のルール設定に従い、コンピュータがそのデータ処理能力を以て圧倒的な速度でシミュレーションを繰り返し、人間には不可能なほど多量の解を示すことや、複合的な条件を勘案しながら素早く設計案を絞り込むことが可能です。最終的には発注者等との協議時に、コンピュータを介して設計案ができるまでの過程をトレースし、案選択の根拠を明確に示すことができます。

最大のメリットは、設計案作成時の検討範囲が飛躍的に拡大するため、熟練の設計者による設計行為に比べても設計提案が一層高付加価値化することです。さらには、一連の設計プロセスが可視化されることにより、設計の妥当性の検証や発注者等との合意形成の期間を大幅に短縮することにもつながり、設計者が設計検討に集中できる時間が増大します。加えて、従来のように目的に応じて都度行っていたモデルの作成・変換が不要になるため、設計検討自体も大幅に効率化します。

当社は現在、中期経営計画<2019~2023>で示した基本方針「成長を支える経営基盤の強化」に基づき、企画・基本設計から設計、施工、FMに至る建物のライフサイクルを通して一貫した情報を活用する設計施工一貫BIMの構築を進めています。Shimz DDEによる設計提案の3Dデータは、次工程の設計・施工BIMへ接続(データ連動)されるとともに、当社の設計ノウハウとして蓄積され、「組織の共有知」として次世代へ継承されます。当社は今後、Shimz DDEにAIをはじめとする最新技術を取り込みながら、プラットフォームとしての機能を一層充実させていく考えです。

以上

≪参 考≫

Shimz DDEのイメージ

Shimz DDEのイメージ
Shimz DDE」は商標登録出願中です。

Shimz DDEを構成するツール

斜線制限、天空率、日影規制、日射量、屋外気流、自然換気、熱負荷(PAL)、温熱快適性(PMV)、昼光利用・照明、視線検証、構造解析、最適化、日照時間、気象分析、面積算定、地表面雨水、大空間空調など、様々な検討を可能にする数十種類のツールで構成される。

プラットフォーム

分野横断的にソフトの機能を統合・集約し、あらゆる設計行為に活用するツールであると同時に、ノウハウを「組織の共有知」として次世代へ継承しながら進化する基盤。

アドイン

あるソフトウェアへ機能を追加・カスタマイズするプログラム、またその手続き。

ビジュアルプログラミング

プログラムをテキスト(プログラミング言語)で記述するのではなく、視覚的な オブジェクトで行うプログラミング手法。

ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、お問い合わせください。