世界が注目する大嘗宮(だいじょうきゅう)の造営に着手

~約30棟の殿舎を木造建築で再現~

  • 建築

2019.07.26

明治から平成の大嘗宮に携わってきた清水建設(株)<社長 井上和幸>は本日(7月26日)、宮内庁より5月にご下命を賜った令和の大嘗宮の造営工事に着手します。建設地の皇居・東御苑(千代田区)では本日、関係者列席のもと、大嘗宮地鎮祭が執り行われます。

大嘗宮は、大嘗宮の儀が執り行われる古式ゆかしい施設であり、大小約40棟の建屋から構成されます。うち、大嘗祭の祭場となる「()()殿(でん)」、「()()殿(でん)」をはじめとする約30棟の殿舎は木造建築となります。工事概要(約40棟その他計)は、いずれも平屋で、最高高さ約9m、総延床面積約2,600m2となります。悠紀殿と主基殿及び廻立殿は、黒木造り(木造)と呼ばれる皮付丸太をそのまま使用する古代の工法そのままの簡素な造りで、柱は唐松の黒木、悠紀殿と主基殿の2棟は屋根上に()()(かつ)()()を備えます。

当社は大嘗宮の造営にあたり、「(国宝)出雲大社平成の大遷宮」(60年に1度の解体改修)を納めた熟練の工事長を責任者に据え、神社仏閣の経験者を集めた全社横断のプロジェクトチームを結成。そのうえで、全国の名だたる宮大工の棟梁を訪ね、北陸、関東、東北地方から腕利きの宮大工を確保。工事が最盛期を迎える8月下旬からは、日々、約120名もの宮大工が現場でその腕を競うことになります。

一方、殿舎を形どる木材の使用量は約550m3です。主なものは長野県産の唐松皮付丸太、静岡県産の杉皮付丸太、北海道産のヤチダモ皮付丸太で、その他、奈良県、京都府等からも木材を調達します。調達した木材は、宮大工の工場で加工を施し、都度、現場に搬入します。

大嘗宮の造営は、わずか3ヶ月余りの間に約30棟もの木造殿舎を建設する、まさに当社が創業時から連綿と継承してきた伝統の技が試される工事となります。当社は、無事故無災害で工期を乗り切り、世界に誇れる確かな品質の大嘗宮をお納めする所存です。

以上

≪参 考≫

黒木造り

皮付きの丸太のままの材でつくった建物。

令和の大嘗宮のイメージ模型(宮内庁 HP から転載)

令和の大嘗宮のイメージ模型(宮内庁 HP から転載)

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